A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

HM

Iwasaki Y, Cadmus P and Clements WH (accepted) Comparison of different predictors of exposure for modeling impacts of metal mixtures on macroinvertebrates in stream microcosms. Aquatic Toxicology. コロラド州立大にいって,まずやったデータ解…

生態毒性な分野で,複合影響の評価といえば,Toxic Unit(TU)が使われることが多いんだけど,なんでこんなん使うんだろうと思ってしまうのは,ボクだけなのだろうか。TUは,ある化学物質の濃度を参照濃度*1で割ってあげ,それを複数の化学物質について計算…

USGSのトラビスさんところを訪問。若手の研究者がトラビスも含めて3人くらい居て,良い感じ。生態学でサブシディをしている人も居て,成虫がクモに捕食されることによって金属がどう移行するかを調べるらしい。おもしろそう。 もうすぐ完成するマイクロコス…

Balistrieri, L.S., Blank, R.G., 2008. Dissolved and labile concentrations of Cd, Cu, Pb, and Zn in the South Fork Coeur d'Alene River, Idaho: Comparisons among chemical equilibrium models and implications for biotic ligand models. Applied …

Craven AM, Aiken GR, Ryan JN. 2012. Copper(II) binding by dissolved organic matter: Importance of the copper-to-dissolved organic matter ratio and implications for the biotic ligand model. Environ Sci Technol. トラビスに教えてもらった論文…

ちょっと個人的に衝撃だったので,簡単にメモ。生態毒性などを意識して環境中の金属を測っている人にとって,DGTはとっても有名ですが(最初の論文はNatureに載っていたことは今更ながら知りましたが),カーディフ大に滞在していたときにEdのところでポスド…

5月にブリュッセルに行っていたのですが,何やってたの?の簡単な答えになりそうな記事がここに載っています(英語です)。もう一ヶ月も経つのかぁ。

底生動物の野外調査データから金属の安全濃度*1を推定することに目的に一連の研究を行ってきましたが,その結果をもとに,「野外調査,データの取り方や性質をちゃんと考えて解析すれば使えるぜ」という主張を書いた原稿が,SETACのIntegrated Environmental…

Buchwalter DB, Luoma SN. 2005. Differences in dissolved cadmium and zinc uptake among stream insects: Mechanistic explanations. Environ Sci Technol 39:498-504. ここでトビケラを使って,亜鉛とカドミのuptake rateを調べているのですが,亜鉛を入…

ミーハーですが,Edに「本買ったから,サインがほしいです。本に貼り付けるから」と言ってもらったサイン。ちゃんと貼りました。ASLOで発表依頼があったらしく,日本にくるみたいです。BLMな皆さま,どこかで発表してもらいますか? Cation Binding by Humic…

BLMあたりでもよく論文に出てくる Chris M. Wood,どんな人かと思ったら,すごい論文書いてる。600本に近い数ってすごいっす(ここ)。Labの人数も多いが,ちょっとすごい数な気がする。見た目的がなんか最近水環で見たURSさんっぽい。NiyogiさんとES&Tを書…

カモ基盤A

富山県立大の坂本さんのところで,ポスドクを募集しています(修士卒でも良いようです)。金属のBiotic Ligand Model関係で,主な業務は淡水動物プランクトンの毒性試験データ(水質データを含む)の蓄積ですが,水質分析が得意な方も大歓迎なようです。時期…

Nanashi*1 (2010) 上のVersteeg et al. 1999に似ていて,自前のマイクロコスムの結果と,HC5とモデル生態系のNOECを比較した論文。方法論や発想はとてもおもしろいのですが,ボクは以下が気になりました*2。 マイクロコスムのNOECの推定は,見た目のでやった…

Versteeg, D.J., Belanger, S.E., Carr, G.J., 1999. Understanding single-species and model ecosystem sensitivity: Data-based comparison. Environmental Toxicology and Chemistry 18, 1329-1346. 11の化学物質を対象に,種の感受性分布(SSD)から出…

Stockdale et al., 2012. Recovery of macroinvertebrate species richness in acidified upland waters assessed with a field toxicity model. Ecological Indicators NA, NA. Tonyの新しい論文,in press状態。大分前に受理されているのに,まだarticle i…

以前に作成して消えてしまったのですが,googleのキャッシュにあったので,復活(2012/05/02)。 Iwasaki, Y., Ormerod, S.J., 2012. Estimating safe concentrations of trace metals from inter-continental field data on river macroinvertebrates. Envi…

Barata et al. 2006. Toxicity of binary mixtures of metals and pyrethroid insecticides to Daphnia magna Straus. Implications for multi-substance risks assessment. Aquatic Toxicology 78, 1-14. タイトルからは明白ではないけど,毒性試験から出て…

Meyer et al., 2012. Water chemistry matters in metal-toxicity papers. Environmental Toxicology and Chemistry 31, 689-690. Meyerさんら,大御所が並ぶ"Letters to the Editor"。Jho et al. (2011)の論文の問題点を指摘しつつ,"The take-home message…

2年前に3ヶ月ほどイギリスのカーディフ大学に滞在して,その後色々試行錯誤して投稿した論文が昨日受理になりました。有り難し。年末の振り返りでも書いたのですが,非常に当然ですが,Steveの英語力(表現の豊かさというか)を痛感した次第です。インターコ…

メモ。金属の複合影響を考える場合,伝統的には実験室ベースの急性毒性試験が使われている。例えば2つの金属について生存率への影響を考えているとすると,解析は,各金属についてLC50*1を求めて*2,そのLC50から50%の死亡率が予測される組合せの複合曝露の…

Shaw JR, Dempsey TD, Chen CY, Hamilton JW, Folt CL (2006) Comparative toxicity of cadmium, zinc, and mixtures of cadmium and zinc to daphnids. Environmental Toxicology and Chemistry, 25, 182-189. 急性毒性(48時間のLC50)ですが,単一金属と…

BLMの勉強

Biotic Ligand Model(通称,BLM)というモデルが重金属の毒性の分野では有名なのですが,なんとなくのイメージは知っていながら,中身はよく理解できていなかったので,関連論文を真面目に読んでみました。優しいイントロとは言えないとは思いますが,日本…

Hare, L., 1992. Aquatic insects and trace metals: Bioavailability, bioaccumulation, and toxicity. Critical Reviews in Toxicology 22, 327-369. Hare, L., Tessier, A., 1996. Predicting animal cadmium concentrations in lakes. Nature 380, 430-4…

コバルトのHC5*1があったので,メモとして。PDFはこちら。淡水は,8μg/Lのようです。LC50からNOECに換算する際には,概ね10で割っているようです。値が適切そうかどうなのかとかは,分かりません(単なるメモです)。 World Health Organization, 2006. Coba…

Chapman P.M. (2007) Heavy metal―music, not science. Environ. Sci. Technol. 41:6-6. 上の論文にあった意見論文。「ヘビィメタル:科学ではなく音楽」というまたまたキャッチーなタイトルです。Chapmanさん。まったく深く考えてなかったですし,ボクの読…

講義で質問されたのもあって,亜鉛の基準値を検討する際に,魚介類の方の参照値の根拠となった論文を眺めてみる。カワマスのNOECが310μg/Lと環境省の報告書にはありますが,”信頼性”って一体どういう風に評価したのだろうと思ってしまった。 標準的に行われ…

SETACの金属打合せを傍聴させてもらったときにあがってた論文。読んでみて,うーん,どっかで読んだような気がするなぁと思っていたら,読んでいた。ここ。ざら読みだとこんなことざらにおきそうだ。 Vijver M.G., et al. (2011) Response predictions for o…

いつも失念するのでメモ。水生生物保全を目的としたUSEPA(米国)の銅の水質クライテリアはBLMを使っているのですが,慢性基準(Chronic Criterion*1)の方はBLMを使って出したAcute Criterionを急性ー慢性毒性比(ACR)で割って算出している。「え?まだ,…

Xie and Buchwalter 2011. Cadmium exposure route affects antioxidant responses in the mayfly Centroptilum triangulifer. Aquatic Toxicology 105, 199-205. Davidさんのところのポスドクの方のお仕事。詳細は知識がなくて追えないのですが,この研究か…

Brix et al. 2011. The sensitivity of aquatic insects to divalent metals: A comparative analysis of laboratory and field data. Science of the Total Environment 409, 4187-4197. 水生昆虫は室内の毒性試験の結果だと感受性が低い結果になっていて,…