A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

講義で質問されたのもあって,亜鉛の基準値を検討する際に,魚介類の方の参照値の根拠となった論文を眺めてみる。カワマスのNOECが310μg/Lと環境省の報告書にはありますが,”信頼性”って一体どういう風に評価したのだろうと思ってしまった。

  • 標準的に行われる濃度添加試験ではない。汚染された河川水を引き込んで薄めたもののよう。*1
  • この論文自体ではNOECとして値は報告されていないし,コントロールの死亡数がそもそも記載されていない*2

Nehring, R.B., Goettl, J.P., 1974. Acute toxicity of a zinc-polluted stream to four species of salmonids. Bulletin of Environmental Contamination and Toxicology 12, 464-469.

*1:亜鉛以外の重金属は検出されていないとあるが(1974年時の検出限界がどの程度かわからないが),カドミウムは確実にあるような気がする。

*2:まぁ死亡率が2%と低いので悪くはないと思いますが,ちょっと正攻法ではない気がする