A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

Nanashi*1 (2010)

上のVersteeg et al. 1999に似ていて,自前のマイクロコスムの結果と,HC5とモデル生態系のNOECを比較した論文。方法論や発想はとてもおもしろいのですが,ボクは以下が気になりました*2

  • マイクロコスムのNOECの推定は,見た目のでやったとの記述あり。統計がすべてではないですが,ちょっと強引すぎるようにも思います。見た目で決めたと書いてある以上,詳しい説明はないですし。明らかに客観性に欠ける。
  • 関係式に使われているパラメータ値の導出が追えない部分がある*3
  • HC5なのか,モデル生態系のNOECなのか,どこを真の値と(仮定)して比較しているのか分からなくなる。
  • Table の値がおかしい。そのため,後の比較で値が一致しているとかって展開が本当にそれでよいのかよくわからなくなる。
  • すべての物質の結果をプールして結果を比較しているのですが,個別の物質について各評価方法による推定値のずれを評価しないと,あまり意味がないように感じる。
  • 国内誌に載っていた論文ですが,こういう論文こそ海外誌で勝負しないと…と思う。

*1:私的判断により伏せさせて下さい。もし知りたい方は,直接ご連絡ください

*2:途中まではおもしろそうと思っていたのですが,後半にかけてちょっとげんなりしました。いやでもアイデアはおもしろいんです

*3:これはボクの理解不足かもしれませんが