A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

先週の金曜日のことですが,Kurt Fauschさんの発表「The Importance of Sustaining Hidden Connections for Conservation of Aquatic and Terrestrial Biota in Stream-Riparian Ecosystems」を聴きに行きました。口数は多い方ではないと思うだけど,ええ人*1。なんていうか,日本人と交流が深いせいか,謙虚?な印象とか日本人っぽい感じがする。関係ないけど,その時にBorisさんに会って,アホみたいに陽気な人だった。よくわからないけど,コロラド?(すくなくともCSU)で水生昆虫といえば,この人!って感じの人のようです。Kurtが水生昆虫のことをBugsというと,insectsだとイチイチけちをつける面白い人。


で,本題のセミナーですが,すごい良かった。あーKurtはこういう仕事してたのか!と思った。すごいざっくりメモしておくと,倒木があると,サケ科魚類の個体数が増えるとか,農業のための地下水利用でPlainを流れる(地下水依存の)川の枯れる区間が増えたり,ハビタットの構成が変わったりして,そこに住む魚の個体数が減っているとか(そして個体数の減少を止めるのは,相当量の地下水利用をやめないといけないとか)。陸と川の繋がりの話とか。外来種ブラウントラウト)の導入は,陸と川の繋がりを切断した時と同じくらいの影響があったとか。大変分かりやすくて,おおおーと思いました。


物足りないところがあったとすれば,じゃあどうするのか?どうしたのか?どうしたいのか?という点がなかったところかもしれません*2。確かに○○が〜%減少するくらいのTrophic cascadeがある,とかって話自体はおもしろいのですが,じゃあ,それはどれくらい守る価値があるのか。Hidden connectionsがあってそれを守る価値自体は納得するのですが,その先がまだまだふわっとしていて(言及されていなく),欲を言えばそのあたりをもっと攻めてもらえればおもしろかったなぁと感じました。

*1:会うと必ず日本語で挨拶してくれる

*2:よく知らないのにこんなこと言うのはなんですが,それは,なんとなくKurtっぽいといえば,Kurtっぽい気もします