A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

Peters, A., Simpson, P., Merrington, G., Schlekat, C. & Rogevich-Garman, E. (2013) Assessment of the effects of nickel on benthic macroinvertebrates in the field. Environmental Science and Pollution Research, in press.

データはさすがUKだし,おもしろいんだけど,どうも。。。という印象。以下個人的な批判的メモ:イントロの書き方も荒いし,全体的にちょっと仕事があらいなぁという印象。特集号はチャレンジングでも通りやすくなると思うんだけど,こういうざっとした出来のが載るからあんまりな気がします。例えば,sufficiently similar−定量的表記なしとか。図も単純な誤植があったりとか。O/Eが0.9となるところを閾値としているが,いまいち客観的な根拠がなく*1,しかもこれをどこに定めるかで結構”安全濃度”が変わりそう(見た目判断*2)。野外の複合金属のところの考察も結構大事なんだけど,よく考えると結構深い問題で,ちょっとそこまで言えますかね?という印象もある。あと,対数軸で表示されているのでわかりにくいけど,実数で表示すると高濃度区が大変貧弱なグラフになって,その上でx軸を対数変換にしないのは,結構致命的な問題が起こると思うんだけど…。と,ざっと書いてみてもこんな感じ。うーん。

*1:is consideredとかと客観的に書いてるんだけど

*2:さらに見た目で判断すると,閾値のある分位点回帰モデルを使うと,安全濃度は結構低めになりそうな予感:まぁ閾値のあるモデルがええのか,という話はおいておいても,この論文で議論している結果がロバストではない,という点が問題かと個人的には思います。