A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

Møller, A.P., Mousseau, T.A., 2009. Reduced abundance of insects and spiders linked to radiation at Chernobyl 20 years after the accident. Biology Letters 5, 356-359.

いまさら感はありますが,KMDさんからのメールにあったので読んでみました。マルハナバチ,蝶の個体数やクモの巣の数を広範囲で調べたものと,放射線以外の影響をコントロールするためにより狭い範囲で放射線量の異なる地点で調査したものの二つがあり,いずれも放射線量の増加にともない”統計的に有意な”減少が見られたとの結果。後者では減少は顕著ですが,前者の調査では,非常に傾きが微妙です*1。終始,"有意"という結果の言及に留まり,あまりおもしろくなかったというのが個人的な感想です*2
思いついたネタとしては,高汚染の地点は少ないようにも見えるので,そういう地点では環境条件の良い場所がうまく拾えなくて…なんてことも。。これ結構ネタとしてはおもしろいかもしれません,広範囲に河川の金属汚染を調査する際もそういう状況はありえる気がするので。

*1:調査地点数が多いので,統計的な有意差が検出されたともいっても過言ではないでしょう

*2:あくまで図を見た限りの印象ですが,非常に大きなスケールでは,自然変動の一部と見なしてもよさそうな減少?とも解釈できなくもなさそうな気もします