A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

読み逃していた論文を読みにかかる。TOCと底生動物への重金属の毒性。アブストに,TOC did not mitigate Zn toxcity in this study とある。その後には,その逆のこと(逆というか、重金属の生物摂取可能性や毒性に影響すると)が書いている。ちょっと中身を見ないと,何とも言えない。しかし,よくもこんなまどろっこしいアブストにしてくるもんだ。クレメンツさんがUVの研究をし出したのは,Scienceとかの論文が元ネタなのか。

Kashian, D. R., Prusha, B. A., & Clements, W. H. (2004). Influence of total organic carbon and uv-b radiation on zinc toxicity and bioaccumulation in aquatic communities. Environmental Science & Technology, 38(23), 6371-6376.

読了。やはり、TOCによる毒性の緩和は全然うまく出ていない。本文中でも、必ずしも有機物の存在は予想するほど毒性を緩和しないかもしれない。と述べている。クレメンツさんは慎重だ*1
同じ実験を硬度でもやってないのが不思議。見逃してるのかなぁ。

追記100815

Clements et al. (2008). Changes in dissolved organic material determine exposure of stream benthic communities to uv-b radiation and heavy metals: Implications for climate change. [Article]. Global Change Biology, 14(9), 2201-2214.

この論文では,TOCによる毒性緩和を既往の研究から引用してきて,DOCがuptake(体内濃度)に影響した結果と合わせて,DOC→toxicityという考察をしている。少し都合が良いような。

*1:いや,まぁTOCやDOCが重金属の毒性を緩和するというevidenceは沢山あると思うので,当たり前か。