A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

Nagai T, Taya K. 2015. Estimation of herbicide species sensitivity distribution using single-species algal toxicity data and information on the mode of action. Environ Toxicol Chem 34:677-684.

永井さんの論文をざっと眺める。除草剤のSSD(急性)で,標準的な緑藻の急性毒性値からSSDの平均値を推定し,MoA(作用機序)でSSDのばらつきを推定すると割とうまくいくというお話。なんというか永井さんらしい論文です*1。(他の人にとっては)特定の種の毒性値からSSDのパラメータを推定するのはおもしろいなと思いました。ここで置かれている仮定は,1.同じMoAでは,SSDのばらつき(SSDの傾き)が同じ,と2.(1の仮定があるので)同じMoA内では,EC50の値の違いでSSDが描けるということ*2。MoAによっては,ちょっと苦しそうだなと思われるのもあるのですが,まぁSSDの95%CIとか書くと,ほとんどの物質で許容範囲という感じ。勉強になりました*3

*1:学術的な人はおもろないっていいそうなのですが,個人的には現実的な落としどころが絶妙

*2:なんとなく,ばらつきが同じであれば,2の仮定は自明になるので,いらない気もするのですが

*3:甘め