A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

Clements, WH, Cadmus, P, Brinkman, SF, 2013. Responses of aquatic insects to Cu and Zn in stream microcosms: understanding differences between single species tests and field responses. Environ. Sci. Technol.

ボクが去年行った時に,Willが解析していて,折に触れて説明された内容の論文。ES&T*1。新たに何かが分かったという感じではないけど,内容は,おもしろいと思う*2

  • 室内毒性試験で得られるLC50とかは,マイクロコスム実験で得られるEC50よりかなり高い濃度になる。
    • これは,試験に用いられる虫の体長の違い,試験の長さ*3,餌軽油の曝露などが関係しているだろうとの考察。
  • 銅のみ,と,銅+亜鉛で試験すると,CCUをベースにEC50を計算すると,コンスタントに銅のみ方がEC50が小さくなる

というのがメインの結果*4。個人的には,マイクロコスム試験だと,Znが500ug/Lあたりまで,カゲロウ類を除いて,あまり影響が見られないというのもIwasaki et al. 2013で使ったClements 2004の結果と似ていて,おもしろい(ほんとにそうなの?と思っていたので)。あと,環境基準周辺での影響の話を,えいやで当てはめた直線回帰の予測値でするのはちょっと乱暴な気もします。

*1:ES&Tはよくはじかれるのよ−,とWillに愚痴ったら,これから提出するので,we will seeとかなんとか言った記憶がある。

*2:ただ,ボクの中のES&Tかというと,若干インパクトは弱い気がする。誤解を恐れず言うと,若干ネームバリューえふぇくとな気もしないでもない。。

*3:この論文では,室内は7日,マイクロコスム実験は10日なので,あまり違いがないの

*4:おそらく後者の方がES&T的には比重が高い気がする