永井さんのブログで紹介されて自分で書いてないことに気付きました。ご紹介ありがとうございます*1。2014年の生態学会のシンポジウム「生態系における汚染の動態と影響」の特集号として,以下の論文が出ました。このような機会を頂き,企画者のお二方に御礼を申し上げたいと思います。まだ他の方の文章読めてないのですが,早いうちに眺めておきたいです。あと,少しだけ言い訳をすると,個人的にはこの記事が某賞の受賞記事だと半分思っています*2。
さて,本題ですが,タイトルの通りで,野外調査の役割を「安全濃度の推定」という観点で整理した特集記事です。書いてあることは,ボクの発表でよく言っていることですが,これを文章としてまとめる機会を頂けたことはとても嬉しく思います。「野外調査は使えるよ」というのが主なメッセージで,その理由をおおまかにまとめてしまうと,
- 調査地点の選択など丁寧に計画を練って,注目したい要因以外の影響をうまく抽出できる野外調査を実施する
- ひたすらデータを増やして,分位点回帰で濃度反応関係を推定する
の2つの使い方があるというのが,この論文の主張です。そして,お恥ずかしながら,後半部分に「野外調査結果を使うことから広がる世界」というお話を背伸びして書いておりまして,個人的に結構魂を込めています。今回,査読者の方々から厳しめのコメントを頂きまして,かろうじて記事になったと私は感じており,まだまだ私自身,勉強もデータ(エビデンス)も足りないと痛感しました*3。あと,良くを言えば,金銭化の話とかも議論できれば良かったのですが,そこまで頭が回ってませんでした。いずれにしても,私の頭の中全部さらけだしました感はありますので,良かったらご笑覧下さい。
岩崎雄一 (2016) 生物群集の応答から金属の“安全”濃度を推定する:野外調査でできること. 日本生態学会誌, 66: 81–90