Environmental Toxicology and Chemistry誌に受理された論文がearly viewとしてオンラインで読めるようになりました。やっとこさ博士研究の集大成が出ました。宮城県迫川,山形県寒河江川,兵庫県市川で行った一連の野外調査をまとめて,底生動物の種数と亜鉛濃度の関係について,折れ線回帰モデルを使って解析したものです。モデル選択の結果,ある一定の濃度まで影響がないとするモデルが尤も当てはまりがよく*1,それを元に安全濃度を推定すると,日本の亜鉛の水質環境基準の2倍以上だったというのが結果です。この結果から,底生動物の種数の保全という意味では,亜鉛の基準はoverprotective*2であることが示唆されるというのが本論文の結論です。
関連して残っている仕事としては*3,この論文では,上流域の河川のデータしか使っていませんが,下流域についても調査をしているので,この上流域の結果を引用しながら,論文化していきたいものです。