A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

Patrickさんの雑文に別刷り請求連絡をくれたPhilippさんがこの論文にも興味あるんじゃない?と教えてくれた論文*1。PAHsはまったく詳しくないのですが,そもそも疎水性であまり水に溶解しないので*2急性毒性では影響がほとんど見えないけど,Mixtureでやると,案の定影響出ます,というお話。シグモイド的なカーブに当てはまるような応答の場合(+その傾きが急な場合)に,余計こういうことが起こりやすいんではないかと思います*3。溶解度が低いからという理由は個人的に新しかった。あと,こういう物質の場合そもそも,(毒性がないので)Toxic Unitみたいな計算ができないというのもおもしろい点だと思う。でもPAHsの場合は同じmode of actionということで,うまく説明できるモデルがあるようです。ざっと眺めただけだけど,まずまずおもしろかった。

Smith KEC, Schmidt SN, Dom N, Blust R, Holmstrup M, Mayer P (2013) Baseline Toxic Mixtures of Non-Toxic Chemicals: “Solubility Addition” Increases Exposure for Solid Hydrophobic Chemicals. Environmental Science & Technology, 47: 2026-2033

*1:しっかり,Ronnyがいるところが憎い

*2:という理由でよいはず

*3:ちなみに,そういう非線形な応答に普通の線形回帰とかで分析すると,すぐに有意な交互作用が出てくるはずです。