A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

Jonker MTO. 2012. What is causing biomagnification of persistent hydrophobic organic chemicals in the aquatic environment? Environ Sci Technol 46:110-111.

SETAC EUで気になった発表の一つ。ES&TのViewpoint論文。生物蓄積とか濃縮系にはあまりあかるくないので,誤解があるのかもしれません。ボクの理解では,生物濃縮(biomagnification)は食物連鎖を通した蓄積という説明をされると思うのですが*1,生物濃縮と言われている現象は,生物ごとに異なる脂質が難分解性+疎水性の有機化学物質に対する異なる親和力(affinity)を持っていることで説明できる。というお話。もちろん,だからといって,それがメカニズムであるという保証にはならないし,食物連鎖を介した生物濃縮が起こっていないともいえないのですが,結構おもしろい主張。学会でも色々コメントが出ていました。これやっぱおもしろい。

*1:この論文ではその背景にある仮定も説明していましたが,個人的にあまりピンときませんでした