A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

Calow P. 2013. The trouble with sustainability. Integr Environ Assess Manag 9:343-344.

持続可能性って還元的に見ていると何かを見逃したりするし,全体的に見ないといけないよね*1。あと,専門家の価値判断*2が事実(ファクト)として受け入れられるリスクがある。とかっていうお話。

deBruyn AMH, Elphick JR. 2013. Proposing a vigorous hybrid of the LOECs and ECx. Integr Environ Assess Manag 9:345-347.

LOECとともに,適合した濃度反応曲線から得られる影響サイズを報告するのはいかが?という提案(著者ら曰く,LOECsとECxのハイブリッド)。なんでこんなことするかというと,LOECにもECxにもそれぞれ利点と欠点があるのでその間をとるのも良いのではないか,ということらしい。まぁわからんでもないけど。。

Meyer JN, Francisco AB. 2013. A call for fuller reporting of toxicity test data. Integr Environ Assess Manag 9:347-348.

毒性試験のデータを公開していきましょうよ。というお話。おもしろかったのは,生データを公開すると,NOEC/LOECなのか?ECxなのか?みたいな議論も,使いたい人が解析すればよくて,論文としては文脈にあった方を示せばいいのではない?というところ。まぁNOECやLOECが積極的に必要なところってない気もしますが,この発想自体はおもしろいと思う。

Swanson WL. 2013. Graphical considerations for presenting data. Integr Environ Assess Manag 9:350-351.

棒グラフとかよく使われているけど,それがベストな時ってあんまりないよね。図は大事なので,ちゃんと良い表示の方法を考えましょう。という話。確かに上のOuelletさんの論文で棒グラフが多用されているけど,沢山あればあるほど,読み取りづらいのは確かだと思う。

Brooks BW, Ankley GT, Boxall ABA, Rudd MA. 2013. Toward sustainable environmental quality: A call to prioritize global research needs. Integr Environ Assess Manag 9:179-180.

SETACとして,求められている研究をまとめたり優先順位をつけていこう,という提案*3。よく見ると,天野さんがいらっしゃる?とこのSutherlandさんが沢山引用されている。よくしらないっすけど,こういう仕事を積極的にやられている方なんですね。

Suter GW, Cormier SM. 2013. Pragmatism: A practical philosophy for environmental scientists. Integr Environ Assess Manag 9:181-184.

これまた何の訳にたつのかよくわかんないんだけど,プラグマティズムのお話。プラグマティズムの意味がちゃんと分かってないのですが,この論文を読む限り,実用主義というのがいいのかなぁと思うくらいで,Thinking is for doing だとか,ある考え(idea)の真理性?(truth content)はそれの現実との関係性で決まるとか。この原稿はEditorial boardの1人が「科学は投票の類とは違いますよ」と言ったことをきっかけにしているというのがおもしろかった。その時点で科学者の大部分が信じていることが科学的知見だという文面には同意するけど,欧米でよく見られる主要研究者で一斉にタッグを組んで大きな流れを作ってその枠からはみ出たものはあまり相手にされない,というのは実はそんなによくないんじゃないのかなぁとも思う*4。ちょっと話が違うかもですが。。。例えば永井さんもそんなことを。。

van Wensem J, Maltby L. 2013. Ecosystem services: From policy to practice. Integr Environ Assess Manag 9:211-213.

そんなに目新しいことが書いているとは思えないけど(未読),一応生態系サービス特集が組まれている模様。

*1:ある意味当たり前ではあるので,Peterさんがどういうところを意図してこれを書いているのかは,ボクのはわからなかった。

*2:不確実性をどれくらい真剣に考える必要があるか,とかってある

*3:ちょっといやらしい感はしなくもないけど,やっぱやる価値はあるんですかね。よくわからない。。

*4:そういうタッグを組んだ人たちの意見が科学者コミュニティに受けいれられているscientific knowledgeとなることになると思うので