A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

平熱のまま、この世界を熱狂したい

10月のSETAC Fort worthに行った時に読み終わったので、もう一ヶ月もここに書けてなかったのかと、時の早さを。。。。著者の宮崎さんはまったく知らなかったのですが、別の方の本をBOOK READING CLUBというポッドキャストで紹介していて、その時に知った感じです。なんというかその時の本の紹介が率直に言って「え、なんか推したい気持ちは本音として伝わってくるけど、なんというか説明周辺に漂う空気感はすごい微妙な感じやん」と、妙に変なところが気になってしまい、この方の著作を読んでみようと、最寄りの本屋(往来堂さん)に行ったら、やっぱりちゃんと文庫本があったので、購入という流れです。
本を読み始めて最初は、読みやすくて、宮崎さんの奥底にある誠実さというか人の良さみたいな伝わってくるとてもいい本だと思いつつ、どうもこうパンチが足りないというか、何に対する物足りなさかわからない物足りなさみたいな感想を持っていました*1。なので、ボクにとって、夢中になってあっという間に読んでしまった、みたいな本ではなかったです。一方で、こうなんというか、それとなく染み込んでくるというか、本の帯の言葉でいうと、等身大のまま、染み込んでくるみたいな感じがして、なんとなく新しい読書体験だったかもしれません。うだうだ書きましたが、個人的に、「違和感を言語化しなければ、いつのまにかそれが是とされ、自分も周囲の人間もなんとなく受け入れてしまうということを(p.222)」という言葉に背中をおされて、Fort worthからの帰りの飛行機でLetter to Editorを一つ書き上げたので、余計に印象に残る一冊になりました。僕が気になった断片は以下の通り…。

  • 無目的なbeになれる場面が極端に少ない(p.30)
  • 変化の激しい世の中で、凪の状態に見を置くこと(p.54)
  • それでも想像しようとすることをやめたいとは、僕は思わない(p.110-111)
  • 「弱くある」ことは、とても贅沢なことである(p.216)
  • 考えてみれば当たり前だが、人類にとって、「弱さ」は「強さ」よりも常に先行して存在したはずである(p.217)。
  • 違和感を言語化しなければ、いつのまにかそれが是とされ、自分も周囲の人間もなんとなく受け入れてしまうということを(p.222)
  • そして言葉が、僕が書いたり、語ったりする言葉が少しでも実感のこもったものになっているのだとしたら、それは弱い自分を前提としている言葉だからであろう(p.227)
  • 悲しみは「打撃」であり「傷」として残るけど、寂しさは「状態」に近い(p.238)
  • 「誰だって、いまが一番若い」という事実(p.254)

*1:そんなことをいいつつ、いいなと思う言葉には付箋をつけたりしていたのですが