Forbes, V. E., and P. Calow. 2012. Promises and problems for the new paradigm for risk assessment and an alternative approach involving predictive systems models. Environmental Toxicology and Chemistry 31:2663-2671.
ETCに最近できた,FOCUSというセクションのForbesさんの記事。まずまずおもしろかったです。Adverse Outcome Pathwayとかっていう概念?フレームワーク?が将来のリスク評価方法として提案されているのですが,「え?そんなことできるの?」って個人的な印象だったのですが,その印象で間違いはなかったようです。まぁでもこれはすごく長期的に目標とするところなのかもしれませんが。
結局は,細胞レベルや遺伝子レベルとかのレベルでみられた影響を,個体群レベル以上の生物的階層の影響としてどう予測するかが問題で,まだまだそこはどうやるか曖昧だし,予測の不確実性も大きい。ここがわからないけど,結局,専門家の判断で,余計な不確実性(安全)係数を使う事になるでしょうとのこと。AOPは,相関をもとにこれを予測するようだけど*1,もっとメカニズムベースで,Predictive systems modelsを使いましょうよという主張。PSMがなにかよくわかってないのですが,Agent-based modelや人工ニューラルネットワークとかが紹介されています。まぁ,こちらもかなり長期的なお話にはなると思います。でも,この階層間の影響の予測というトピックはこれからこの分野ではホットになりそうですね*2。