A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

probitかlogitか,logがそのままか?

Joeとのメールコラボ研究で気になったことをメモ。LC50とかの推定ではほとんど違いは見えないんだけど,結構ややこしいことに,そういうのでデータ解析の解釈が結構ガラッと変わってしまうデータに出会ってしまった。いやぁ,単に濃度反応関係を描くだけなのに,世知辛い。。以下,今後のメモとして,上のRitzさんの論文に例があるのですが,log-logsiticとlogisticでは*1,logisticの方が切片を高めに推定して,低濃度における濃度の微妙な変化に対して予測される影響の大きく見積もられるようです(正確にはそういう例があるようです)。加えて,個人的に1つの例に当てはめた場合だと,非常に微妙な違いですが,probitよりもlogitの方が影響が出て来る濃度が高い傾向にありました。こういう微妙なモデルの違いがmixtureの予測では結構大きな解釈の違いに繋がってしまそう,です。いやはや,なんというこれは結構きわどいというか,あんま得感がないというか。こういうのを考えると,個々の化学物質のEC50で,mixtureのEC50あたりを推定をしようという戦略は真っ当な感がありますね。逆にいえば,EC50から低い濃度のmixtureの影響を見ようとしてもかなりキワドイことになる,とも言えるかも知れませんが(あ,でもEC50でそういう推定をしてうまいこと行った研究はありますね)。

Ritz C (2010) Toward a unified approach to dose-response modeling in ecotoxicology. Environmental Toxicology and Chemistry, 29: 220–229

*1:誤差分布は正確には不明