A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

Ankley, G., 2009. Doing more with less: Effective research and peer review. Integr. Environ. Assess. Manag. 5, 712-713.

doing more with lessするためには,「研究を深めることをいつやめるかを知ること」,「査読で建設的に批判すること」が大事とのこと。前者の主張はおもしろい。アカデミックな研究では,前者は考えにくいのかもしれないが(いや,そんなことないか),環境リスクとかの分野では「(例えば)意志決定や現実的な状況を考えて,もうここまでの知見で十分」という到達点は十分にありうる*1。それをしっかり把握すること*2。後者は,明らかに欠陥がある論文をきちんと査読することで,いらぬ労力が省略できるとのこと。まぁ当たり前なのですが,査読経験は業績にはならない(?)ので,表面的な査読になってしまう傾向があるのはuncommonではないとのこと。上もそうですが,IEAMのLearned Discoursesは経験的に,おもしろい文章が多い。

*1:実はこのあたりに,ボクはすごく問題があると思っていますが,それはまたいずれ

*2:もちろん,この問いのたてかたで,この到達点は変わってくる。そしてその問いのたてかたは,ある意味各個人に委ねられる