A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

論文ななめ読み

以下,ランダムに目についた論文をざっと読んでみたので,かなり雑多なメモです。

Cortelezzi A, Armendáriz L, Simoy MV, Marinelli CB, Cepeda RE, Capítulo AR, Berkunsky I. 2017. Site-occupancy modelling: A new approach to assess sensitivity of indicator species. Ecol Indic 79:191-195 DOI: https://doi.org/10.1016/j.ecolind.2017.04.040.

CSUに居た時によく出てきたOccupancy modelのMARKを河川の貧毛類につかって,水質に対する感受性を評価した論文。発想としては,面白いと思うんだけど,結局「使用した水質が主要な影響要因であると仮定している*1」し,多くの貧毛類では用いた水質パラメータは重要でなかったという落ちもあったりして,なんだかなぁという印象でした。ただ,そうかMARKってこう使えるのかって思わせてもらったという意味で読んでよかったです。
sites.warnercnr.colostate.edu

Malaj E, Guénard G, Schäfer RB, von der Ohe PC. 2016. Evolutionary patterns and physicochemical properties explain macroinvertebrate sensitivity to heavy metals. Ecol Appl 26:1249-1259 DOI: https://doi.org/10.1890/15-0346.

系統樹における位置と金属のパラメータで毒性を室内毒性試験における毒性値を予測するという論文。これすなわち,SSDで系統的な近さを考えることと同じだよね,と思ったら,きちんと,van den Berg et al. 2021でそいう感じで整理されていました(ボクのざっと見の判断ですが)。まぁでも,悪くはないけど,予測性はめっちゃいいってほどじゃないよね,という感じがする(そしてそれがなんともいえないところだと思う)。

Larsen S, Comte L, Filipa Filipe A, Fortin M-J, Jacquet C, Ryser R, Tedesco PA, Brose U, Erős T, Giam X, Irving K, Ruhi A, Sharma S, Olden JD. 2021. The geography of metapopulation synchrony in dendritic river networks. Ecol Lett 24:791-801 DOI: https://doi.org/10.1111/ele.13699.

Cardiffの時に,博士でいたStefanoのEcology Letter論文。アブストと図をさらっとしか見てないけど,シンクロの程度と距離の関係が実測データからざっと予想通りになっていて,面白いっすね,という感じだった(ごめんなさい,あまりちゃんと読んでないです)。アメリカにいる某方っぽいと思ったら,やはりちゃんと引用されていた。

*1:この仮定は多くの研究で問題になると思う