A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

MP/NPの魚類への影響レビュー

Jacob H, Besson M, Swarzenski PW, Lecchini D, Metian M. 2020. Effects of virgin micro- and nanoplastics on fish: Trends, meta-analysis, and perspectives. Environ Sci Technol 54:4733-4745. DOI: 10.1021/acs.est.9b05995.

ざっと訳すと「マイクロプラスチック(MP)またはナノプラスティック(NP)そのものの魚類への影響:傾向,メタアナリシス,視点」というタイトル。Virginは,MPまたはNPにくっついている化学物質の影響ではなくて,MPまたはNPそのものの影響という意味でよいと思う。方法とかすっとばして,以下は,結果と考察部分からざっと抜粋。なので,(いつもどおりですが)内容の正確性は保証しません(あくまで魚の話です!)。

  • 曝露経路としては,水経由での曝露の方が餌経由よりもより多くのエンドポイントに影響を及ぼしてた。
  • 球体のMP/NP(の毒性影響)が,フラグメントやファイバーよりも多く研究されている。
    • 環境中では,フラグメントやファイバーが多いので,実際の環境中での影響という意味では知見に限界がある。
    • 球体のMP/NPがフラグメントよりも影響が観察される割合が多いが*1,MP/NPの形状については明瞭な毒性のパターンは今のところ無い。
    • イレギュラーな形状の耐久性(ruggedness)が重要では?と唱えている人もいるとか。
  • サイズは,100μm未満であれば,サイズが小さい方が魚類に対する毒性が強い。100μm超であれば,その逆の傾向。

*1:had slightly more effects。方法を読んでないのでわからないがたぶん単に影響が検出された試験の割合?。という意味では,こういう基準でカウントしたらこうだった程度の情報と理解した方がいいかも。