A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

Effect-based assessment

De Baat, M. L., Kraak M. H. S., Van der Oost R., De Voogt P., Verdonschot P. F. M., 2019. Effect-based nationwide surface water quality assessment to identify ecotoxicological risks. Water Research 159, 434-443. <<

SETAC Helsinkiで話したMiloさんの論文。環境水を用いた影響(毒性)に基づく評価って,古くからあるのに,Water Researchとか載るのかぁと思ったけど,思った以上に大々的に色んな影響を測定している。個人的につっこみたいところはあるのですが,研究ベースでこういう検討がされるのは悪くないと思います。Miloさんのイントロで書いているけど*1,Effect-basedの利点は,環境水の総体としての毒性を調べられること。個別の物質測定では漏れる物質が影響を及ぼしている場合も(理想的には)捉えられる。一方で(水質測定は別途やっていそうだけど)この論文では,水質のデータはないので,個別の物質濃度測定の評価とこの評価どう異なるか?という点は不明瞭。地点毎のリスクレベルのランキングとかできるって書いてあるけど,それは水質測定でもできる。面白いのは,それと結果がどれくらい変わるかとかじゃないかなぁと思ったり。あとは,実際の野外影響とのリンクもこの論文では検証されてない。余談的だけど,Miloさんは面白い感じの人で,この論文も分かりやすくよく書けていると思った*2
個人的には,Effect-based trigger values (EBTs)というのが推定されているというのを知れて良かった。あ,あと一つのミソは,Passive samplerで現地で吸着させて,それを溶出させて(たぶん)曝露させているところか。

*1:この論文のイントロ結構綺麗に書かれていてよい

*2:ひとまずこのあたりの感想をメールで送ってみようかなと思う。