A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

Newman, M.C., Ownby, D.R., Mézin, L.C.A., Powell, D.C., Christensen, T.R.L., Lerberg, S.B. & Anderson, B.-A. (2000) Applying species-sensitivity distributions in ecological risk assessment: Assumptions of distribution type and sufficient numbers of species. Environmental Toxicology and Chemistry, 19, 508-515.

種の感受性分布(SSD)でひくと,最も引用されている論文(をいまさら読みました)。要点は,

  • 対数正規分布SSDとして最もよく使われているけど,どうも一般的にベストな分布とは言えない。
    • 30種類の化学物質の急性慢性試験データで調べている(データ数(すなわち種の数)は,各物質結構多くて,20〜30)。対数正規分布,log-logistic分布,Gompertz分布で調べて,慢性で言うと,Gompertzが大体のモデルで一番よい。
    • (コメント)Newmanも本文でいっているように,実際のデータはこんなにない。となると,どのモデルが良いか,という観点での評価は難しい。でも,この感じだとGompertzを使ってもいいような気がしているけど,なぜあまり普及してないんだろう。Gompertzでの計算方法をよく理解していないけど(SASでやったとしか書いてない),対数正規分布の方が身近だから?
  • HC5をうまく推定するには,平均で30種(15-55種)くらいのデータが必要(でも,実際に規制で受け居られているのは,4-8種という記載あり)。
  • 分布なんて仮定せずに,ブートストラップで信頼区間求めればええやん。という主張。
    • (コメント)なにやら,上のデータ数から100個くらいリサンプリングしてHC5を推定して,それを繰り返すことで信頼区間を推定しているんだけど,手元の(少ない)データをリサンプリングするだけで,うまくいくとは思えない。。まぁ,どちらも利点と欠点があるとは思いますので,どちらがいいとは難しいですが。。