A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

はじめての進化論 (講談社現代新書)

はじめての進化論 (講談社現代新書)

「いまさら,何を読んでおるねん」と怒られそうですが,最近web検索でまた出会ったので,前から気になってた河田先生の本を読みました。群淘汰ではなくて個体淘汰だとか,色んな進化論の歴史とか批判とか,それの教育や社会一般への誤用*1だとか,個人的に分かりやすく*2,しかも真摯な語り口で書かれています。特に,できるだけ公平に(客観的に),科学的に妥当だと考えられていることとないことをきちんと分けて,丁寧に書かれている雰囲気が感じられて,とても好感を持ちました。絶版のようですが,オススメです。ボクは古本購入しましたが,河田さんがHPにPDF版もアップロードされています(ここ)。今西進化論がはやったなんて全然ボクの知る範囲ではないのですが,そういう時代があったんだなぁと勉強になりました*3。とってもオススメです(繰り返し)。

*1:引用:生物学上の事実や解釈をもとに人間の倫理観や道徳的価値観を導き出そうとすること(p175):ボクも確かにこういうのを経験してそう,と思いました

*2:ただでも,生態学や生物学に疎い方は少ししんどいかもしれませんが

*3:この最後の章もかなり読み応えがありました:魂がこもっている感じ