A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

人工ニューラルネットワーク

Olden, J.D., Lawler, J.J. & Poff, N.L. (2008) Machine learning methods without tears: A primer for ecologists. Quarterly Review of Biology, 83, 171-193.

涙なしの機械学習生態学者への入門書。という大変キャッチーなタイトル。Oldenさんと会ったことも話したこともないんだけど,多分学生への説明とかうまいんだろうと思わせる,ニーズの把握力と説明のうまさ*1。書いている文献から粗く推察すると,Oldenさんは,2006年あたりから,機械学習,特に人工ニューラルネットワークに肩入れしてたように思われる。他にもおもしろそうな論文を書いておられる模様。この論文では,決定木とか回帰木,人工ニューラルネットワーク遺伝的アルゴリズムを説明している。最後のGAは,ちょっとあまり気持ちが入ってないなぁと思った*2。利点と欠点,と数式無しでの概念的な説明など,比較的さらさらっと読めて良かったデス。ANNはあんまりと思ってたけど,ちょっとこの論文の説明を読むとやってみる価値がありそうな気がした*3。どこがというと,相関の高い説明変数が沢山あって,あーどうしようもない,みたいな状況を実はANNが綺麗に解決してくれる場合もあるんじゃないかな,と思った。そうだとするとおもしろい。



追記:2013/12/13まぁせっかくなので,非常に上辺だけANNをいじってみました。どうも,このブログが結構ピンポイントで欲しい情報をくれそうです。著者は若めで良い感じ。読めばわかりますが,

they (ANN models) are often no better, and in some cases much worse, than standard statistical techniques for predicting relationships among variables.

というのがこの人の感想のよう。確かに自分のデータでえいやで解析してみても,もう何がなんだかぱっとは分からない感じ。とりあえず,今回はここまで。

この著者も参考にしているようですが,上のオルデン論文にも引用していた,

Olden, J.D. & Jackson, D.A. (2002) Illuminating the "black box": a randomization approach for understanding variable contributions in artificial neural networks. Ecological Modelling, 154, 135-150.

は,一読しておいた方がいいかも。

*1:初心者なのであれですが,省略もうまくしてくれているんじゃないですかね

*2:ボクが飽きてきたせいかも

*3:因果構造的になっているんだけど,あちらの方面との関係はどうなっているんだろう。