A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

Carlisle et al. 2011. Alteration of streamflow magnitudes and potential ecological consequences: a multiregional assessment. Frontiers in Ecology and the Environment 9:264-270.

PhDはWillのところでとったCarlisleさん。いいとこに載っていますが,結構地道に下積み的研究をして最後に繋げたという感じな気がしました。最大流量が減ったり最小流量が増えたり減ったりすることと,魚類や底生動物の"健全性*1"が関連していたという結果。もちろん,流況改変と化学的パラメータ(全リン濃度とか)が相関していたりするので,因果関係の議論には注意が必要です。さすがアメリカという感じの莫大なデータを,まぁまぁ妥当そうな方法でえいやっと解析している印象ですが*2,結果は結構綺麗です。流況*3が河川生物群集に影響するという一般的な文脈では,最適な引用文献ですかね*4

*1:この言葉自体は好きではないですが。要は,O/E比で評価しています。O/E比は,その地点で観測された分類群数/期待される分類群数のことで,アメリカやイギリスだと,ある地点について物理化学的条件から,期待される分類群数が推定できるモデルができあがっていたりするのです。どれくらい当てになるかはおいておいて,簡易な評価にはすばらしいです。

*2:まぁ仕方ないのかもしれませんが,結構,えいや?な区分けとかはあまり好みではない

*3:この論文では最大流量と最小流量だけですが

*4:O/Eなせいか,いまいち直感的に分からないのですが,結構きいているんですかねぇ