A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

Chapman, P.M. Indices: Attractive delusions. Integr Environ Assess Manag. 7:313-313; 2011

Chapmanが面白いEditorialを書いてる。日本語訳すると,「指標:魅力的な妄想」とでもなりますか。ボクらは多次元で複雑な情報を,そのままうまく理解する能力がないので,情報をまとめた指標を使うことになる。Chapmanが最終的にどういう意図を持っているのかはよくわからないのですが,本文を読むと指標を使わずにもっと元のデータを重視せよという感じのことが書いてある。ただ,それってどうやってやるの?というのがよくわからない。個人的には,指標は使わざるをえないと思うのですが(種数だった指標だし),Karrさんが随分前に提案されたIBIのように一つの指標にいろんな情報をまとめてしまうのは,あまり御利益がないと思っている。

Cairns, J. Is it safe to use the word “safe”? Integr Environ Assess Manag. 7:506-506; 2011

論文でsafe concentrationという言葉を使ったばかりなのに,Cainsさんはsafeの使用に"No"とおっしゃっています。すみません,気をつけます。理由は,safeにはno riskという意味が含まれており,不正確ではないかというお話です。という示唆が,福島の原発事故とエネルギー問題に言及しながら展開されています。じゃあ何を代わりに使うべきかは書いていませんが,acceptableとか別の言葉を使う方がよいかもしれませんね*1

*1:あー次の論文もsafe使う予定だったのに。しかもこのあたり,NITさんからごく最近に指摘されたばっかだった。