A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

社会を知るためには

ぱっと目についたので買った程度なのですが、ささっと読める軽さで、面白かったです。個人的には、(本文の該当部分が見つからないけれども)構造、システム、規則、ルール、人間関係も過去から積み上がってできて、絡まっている複雑な社会に我々は放り投げられているというイメージが湧いてきたのが印象的でした。そんなこと当たり前と言われればそうなのですが、なんか薄々と感じていたこれ無理じゃないかな?みたいな部分を、あーそういう前提でいいのですね、という感じで、腑に落ちた感じです*1。あと、そういう前提のもとで、量的なデータから全体について俯瞰するような研究と、個別の事例を質的に捉える研究の役割の違いとかにも触れられていて(たぶん)、それも面白かったです。もうちょっとこういう方面の本を読んでみたい。

*1:例えば、第一章の「「社会のことはわからないことだらけ」というのは説明の放棄ではなく、社会を理解することの出発点の確認だ」とか。