A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

自然を名づける―なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか

自然を名づける―なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか

アメリカ滞在中に知って読んでみたいと思っていた本。大変おもしろかった。あとがきで三中さんが「やや”煽り”がきになる箇所もあるが」と書いてあるのと関係あるか,よくわからないけど,確かにそこまで言えるのか?とか思ったところもあったけど,生得的な分類認知にもとづく分類学と分岐分類学の対立あたりも含めて,とても勉強になりました。ダーウィンが結構悩んでたという話もおもしろかった。とてもおすすめ。

わたしたちは線引きをして分類しないわけにはいかない。ヒトとしてふさわしい分類のやり方は必ずしも一致する必要はないし,科学による分類と合致する必要もない(p350)。
ある分類について正しいか間違っているかという二者択一的な問いかけをしてはいけない。ほんとうはどの分類もそのとおりなのかもしれない(p351)。

どちらかというボクは”種が分かること”に魅力をまだ感じれていないヒトではあるとは思うのですが,それを使って研究をしているのは事実。あと,分岐分類学的な手法は多分これからどっと使われてくるんだろうなぁと,このあたりもちゃんと勉強しておかないと,少なくとも数十年後にはボクの分野にもガシガシ入ってきて,置いて行かれてしまうのだろうなぁと思いました。いやはや,難しい問題ですが,知的好奇心というかなんかそういうのを駆り立てられる感じがした。読んどいて良かった。