A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

「地球システム」を科学する

「地球システム」を科学する (BERET SCIENCE)

「地球システム」を科学する (BERET SCIENCE)

伊勢さんの本。第二弾(第一弾はこちら)。「地球システム」を科学する,というタイトルがちょっとお堅いのですが,内容は個人的には前書より好みでした。なんというか,多分伊勢さんの専門に近いのと伝えたいメッセージがより明確なためな気がします。なんというか,良いです。個人的なバイアスを気にせずに繰り返すと,とってもよいです。地球システム(曰く,地圏,水圏,気圏,生物圏の4つが相互に関係し合うシステム)を理解した温暖化の一歩進んだ理解とかそもそも科学とは?みたいな話とか,とてもおもしろかったです。しかし,伊勢さんから醸し出される(とボクは思っている)ゆるさとは裏腹にほんと博学だなぁと思う次第です*1。メインな話ではないのですが,個人的には

  • 科学的な法則や言い分には反証可能性があり,反証可能性のない言い分は科学的ではありません(p206)。(中略)科学者は自分の説を発表するときは,誰かが自説を反証する手段をあえてのこしておかなくてはならないのです。
  • 読者のみなさんも,自分の仮説*2がデータによってくつがえされる可能性も覚悟しなくてはならないのです(p212)。
  • 人間は無謬*3ではないことを認めたうえで,「間違いだらけな人間でも,なんとか真実にたどり着く方法はないか」と必死に考えた結果が,科学の手法なのです。

あたりが示唆的でおもしろかったです。


あと,あとがきを読むと伊勢さんの変さが伝わってきます。しかしまぁ,なんとなく感じるイタさみたいのもひっくるめて,(きっと)素敵感を感じてしまうのは,たぶんかなりバイアスがかかっています。

*1:いやはやすばらしいです。。

*2:岩崎注:思い込みや欲しい結論

*3:理論や判断に間違いがないこと