A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

2012年の私的出来事振り返り

今年の振り返り。今年も大変お世話になりました。しかし,ほんと時が経つのが早い*1

研究

  • コロラド州立大学(CSU)のClements先生*2の研究室に8月半ばより滞在。
    • とにかくこれです。修士の時に論文を読んで,その後金属と底生動物の研究をしてきてある意味憧れだったのですが,まさかの滞在です。ウィルとバスケを見に行ったり,ホームパーティに呼んでもらったりしているのは,ある意味夢のようです。
    • こちらでは,自分で要因を操作するという「実験」というものを初めてやったのですが,これがおもしろくて楽しい*3。この経験は,ちょっと個人的に大きいです。ピートと一緒に作業できたのもとっても大きいと思う(ありがとう,ピート)。
    • 研究自体もまだ水質系の結果がちゃんと出ていないのですが,大体良い感じだと思います(最後の野外実験は良い勉強になりました)。こちらに来て,Willのデータを使って手を付けた解析は年末に投稿することもできました(ウィルとピートに感謝)。
    • ここで*4AICのモデル選択本を書いたDavidさんや,自然流況の考え方を提案したPoffさんや,分位点回帰をEcologyな雑誌に紹介したNoonさん,日本の河川生態研究者とも仲良しのFauschさんに会えて話せたのは,ミーハーなファンみたいですが,嬉しかったです。
  • ほぼ今年前半の話ですが,英語論文を3本出せた。
    • 1本は,去年アクセプトされたやつなので置いておいて,カーディフ大に短期滞在したときに始めた研究が論文として出せました。SteveのEditingはボクにとってはすごくて,当たり前ではありますが英語表現の豊富さはほんとに勉強になりました。レスの速さ*5,レスのメールからにじみ出る安心感もとても有り難かったです。
    • 東工大ポスドクとして雇われて始めた魚類種数と流況指標の論文も出せました*6。個人的には新しいテーマでしたが,そのお陰で,Poffさんも知ることができた。というのは,まぁ狭い世界なだけかもしれませんが,ちょっと運命みたいなものさえ感じます。
  • (短い文章ですが)英語論説を2本出せた。
    • 国際誌に論説を書く,というのが去年からの密かな目論みだったのですが,一応達成できました。当初の個人的目論みは,上のSteveの論文と博論の結果も合わせて「野外調査の有効性を強調する」論説を,Letter to Editor枠で出したかったのですが,IEAMのLearned Discoursesに載ることになりました。まぁ,でもIEAMのLDsはみんな好き勝手に意見を述べているのがおもしろくて,ボクが楽しみにしているセクションでもありますし,満足しています。
    • 上の論説のおかげで,少しボクの中でLearned Discoursesの敷居が下がったせいか,ECxのxをどう決めるかという問題に対して個体群レベルを意識しましょうよ,という論説*7も受理されました*8。思いつきで,Hansonさんに送ったのも,すごく良かった気がする。まさか一緒に書いてくれるとは,有り難いことです。
  • 日本語の論文を1本。
    • ブルーギルの個体群モデルを解析して,応用生態工学に事例研究として出すことができました。発行が遅れているようですが,1月には出るみたいです。思ってたより難産でしたが,モデルを説明することの難しさとか,数理モデルな分野のルールみたいなものとか,ボク自身学べたことは多いです。続きな研究ができると良いと思うのですが,どうやら,松田研のHentai SBTさんと何かできそうです*9
  • 某賞を頂くことになりました。
    • ダメ元で出してみたら*10,頂けることになってしまいました。ちょっと恐縮過ぎるのですが,まぁこれはおいおい。
  • ブリュッセルであったMetal Mixture Modeling Exercise*11のミーティングに出れたこと。
    • この手の会議には初めて出たのですが,EdやBLMな人たちとの議論はとてもタメになったし,あーここが最先端か,というのが良くわかりました。準備には少し苦労したけど,これに出てなかったら,ここCSUでの展開もまた全然違ってたんじゃないかと思います。NITさんとKMさんに感謝です。
  • 環境学会の若手の会で発表。
    • ちょっと昔な気もしますが,今年の3月の話で,良い機会を頂いたと思います。このおかげで,その後のポスター発表も,いつもより盛況だった気がします。関係者の皆さまありがとうございます。
  • 環境史研究会に出た。
    • といっても,渡米前に1回だけですが,野田さんとお話できて,これまたボクの視野を広げてもらった気がします(OIKW先生,ありがとうございます)。どこかで何かできたらいいなぁと漠然と。
  • いつもより査読をした。
    • といっても,国内誌2本*12,国際誌2本ですが。。。もう一個,お願いが来てたのですが,期日通りにできそうにないので断りました(すみません)。なんかやった感じがするのは,3本が10月以降くらいに立て続けにきたせいだと思います。

研究関係ではない学業関係

  • 中大講義
    • 前期に2回目の「環境リスク論」をやりました。今年は5限にうつしたせいか,受講者が適度に少なくて,個人的には去年より良い感じにできたんじゃないのかなぁと思います。手弁当で来て下さった,YSTKさん,FJMKさんありがとうございます。来年度もお声がかかったので,またちょっと楽しみです*13
    • この講義のおかげで,弟の知り合いの首都大の人に声をかけてもらい,新入生向けのフリーペーパーにコメントを寄せたりしました。初めての体験で,個人的におもしろかったです。

日常

  • 与論島に2回いった。宿の人たちがとても素敵で,時間の流れがまったりで,夏にまた行きたい。
  • ブリュッセルの帰りに,オランダ(アムステルダム)とフランスに行った。フランスのシャトーホテルはすごい良かった。
  • チェルフィッチュの「現在地」とか,TPAMで,サンガツ,マームとジプシー,山下残とかを見た。マームとジプシーと山下さんはすごく良かった記憶がある。
  • 結婚した方が多数。皆さま,お幸せに。
  • TTYが仕事をやめた(別に悪い意味ではなくて,多分すごく勇気ある決断だったと思う)。
  • 加藤さんの名前のDanが,DanielのニックネームDanに由来することに気づいた。


daokoが入ってきてますね。確かに後半よく聞きました。サンガツはきっとTPAM以降古いアルバムをよく聴くようになったせいのもある気がする。Badlyは,映画を見たせいで思い出して聴いたせいですね。


やり残したこと,抱負

  • 研究関連
    • いくつか進行中の研究などはあるのですが,個人的には[1]博士研究の残りをできれば来年投稿してすっきりしたい,[2]KBYSさんとの研究を形にしたい(学会発表でも良い),[3]毒性試験の統計のメソッドに関する論文を書きたい。でしょうか。[3]は,まだ誰も提案してなかったら,需要はあると思うのですが,ちょっと時間をとって調べてみないことにはなんともですかね。。
    • 海外の学会賞を狙え(という,AKBさんからの指令)
  • 英語が普段使いできるようになりたい*14
  • 来年度で学振PDが終わるので,次の職をなんとか・・・。


なんか現実的なものばっかりになってしまいましたが。。。なにはともあれ,自分でもどこに向かっていくのか分かってないのですが,達観できなくてもワクワクすることは逃さずに取り組んで行きたいと思います。来年もよろしくお願いいたします。

*1:歳とったからかなぁ

*2:Clements先生なんて読んだことないですが

*3:もちろん,寒くてめんどくさいっなんてネガティブな要因はありますが,それはまぁ野外調査をやっても一緒でしょうし

*4:多分そんなにメジャーな大学じゃないと思うんだけど

*5:去年は全然レスしてくれなかったけど

*6:しかしこれも生態学会から口頭発表して,結局1年以上かかってしまいました

*7:そもそも論説と呼ぶものなのかよくわからないけど

*8:発行はおそらく,来年の4月頃

*9:というか,生態学会で発表してくれるみたいです。D論で忙しい時に恐縮です

*10:てか,単にボクの知ってる優秀な人たちがみんな出してなかっただけだと邪推

*11:とかいった名前だったと思うけど。。

*12:もうたぶんやんない

*13:でも,いざ当日になると,すごい緊張するのでしょうが・・・

*14:多分これは,一生やり残すことになりそうですが・・・。とか日常会話のスピードはきついっす。まぁでもまずは自分の言いたいことをもっとスムーズに言えるようにならないとでしょうね。。