A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

異なる機関で計算されたPNECのぶれ

Hahn et al. 2009. Reducing Uncertainty in Environmental Risk Assessment (Era): Clearly Defining Acute and Chronic Toxicity Tests. Integrated Environ Assess Manag 5:175-177.
Harn et al. 2009では,5つの物質について,色んな機関で計算されたPNECを比較して,それがばらついていることを報告してる(方法論は同じでもばらつく)。この理由の一つに,急性と慢性のをどう定義するかが関連しているらしい。したがって,ばらつきを減らすためには,各機関でこの決め方をharmonizeする必要があるとのこと。
確かに,この定義は難しい。PNECがばらつくのは,そこまで問題あるのか?とも思いますが*1,より重要なのは,その濃度で生態系がどうなっているかを把握し,その結果を基に,どういう方法論で決めるのが良いかを決めるの良いような気がします(予測値のばらつきばかり議論していても,あまり意味がないような気がする)。

*1:以下のような意見をもらいました→行政ではPNECを使ってリスク評価をしていて,リスク評価結果を左右するほどPNECがばらつかれるのはとても困るということのようです。なるほど。