A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

環境リスク研究におけるweb調査の有効性

岸川洋紀, 村上留美子, 藤永愛一郎, 内山巌雄, 2018. 環境リスク研究におけるweb調査の有効性. 日本リスク研究学会誌 28, 3–11.

アンケートしたいなぁと思っていたところに,ちょうどリスク研究学会誌が届いて,目を通した。web調査とインタビュー調査の比較で,それぞれの特性が出るという話。入門的な話も書いてあって勉強になりました。それぞれの利点と欠点はまぁそうだよねぇ,という感じですが,きっとこれ数十年後とかにはまた違う様相になっているのでしょうね。気になったところは,調査年度が違うところ。地震とか原発あたりの質問の感触が変わりそうだなと思った。すなわち,方法論の違い以外に,調査年度の効果が見落とされている気がした。ざっと読んだ限りでいうと,自分の対象とする母集団がどんな集団かによってベストな方法は変わりそうだ,という(ある種至極当たり前な)話と,結局,真の母集団が分からないような状況だと方法論の比較も,単なる比較止まりになってしまって,ちょっと味気ないなぁと思った。論文とかにまとめることを考えると,「一般」を推論するというよりは,Web調査ならWeb調査の母集団は反映しているだろうから,その中での仮説検証を考えておくのがよいのかもしれない。