A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

Wheeler, J.R., Maynard, S.K. & Crane, M. (2014) An evaluation of fish early life stage tests for predicting reproductive and longer-term toxicity from plant protection product active substances. Environmental Toxicology and Chemistry, 33, 1874-1878.

NOECを求めるという意味では,初期生活段階毒性試験(Early life stage test)でもフルライフサイクルでもそんな変わりませんよ。という話,著者らによると,フルライフサイクル必要なんじゃね?という流れてできてるとか。ただし,著者らも引用しているけど,この結論自体はWoltering 1984で得られていたもので,まぁそれを再確認できたという話*1。個人的には,もうちょっと深いところが知りたい。NOECでもEC10の一般的な関係を考えると,多分そんなに問題じゃない気もするけど,そもそも時間スケールが違うので,エンドポイントの重要性が異なってくる。なので,濃度反応関係でちゃんと見てみたいなぁと思う。データ使わしてくれないっすかね。そもそもNOECくらいしかデータは集めてないのかもしれないけど。

*1:Wolteringの論文自体はCSUに居たときに,スティーブブリンクマンに教えてもらってた

Ward, D.J., Simpson, S.L. & Jolley, D.F. (2013) Avoidance of contaminated sediments by an amphipod (Melita plumulosa), A harpacticoid copepod (Nitocra spinipes), and a snail (Phallomedusa solida). Environmental Toxicology and Chemistry, 32, 644-652.
Ward, D.J., Simpson, S.L. & Jolley, D.F. (2013) Slow avoidance response to contaminated sediments elicits sublethal toxicity to benthic invertebrates. Environmental Science & Technology, 47, 5947-5953.

前者は汽水の底生動物を用いて汚染された底質を避けるというレスポンスを調べた研究*1。否定的に見れば,濃度反応関係という意味でみれば,実は生存率の方が綺麗な反応が見れそう…(といっても微々たる差ですが。。*2)。当然なんだろうけど,興味深いのはやはり汚染された底質に残るやつがいるということ。
後者は,パルス的な曝露をする毒性試験をして,前者の結果を基に回避する時間を考えると,6-24hぐらいかかる端脚類の一種は,生存には影響しなさそうだけど,繁殖はそれぐらいの短期曝露で減りそうですねぇ。という話。

*1:統計解析にはExcel使っているので,MNKさんてきにはrejectかと。章構成的にこちらもES&Tに出したんでしょうね。きっと。

*2:関係ないですが,HellouさんのESPRのタイトル詐欺なレビュー論文が引用されていますねぇ。。。

あなたの使っている個体群モデルはどうなん?って突っ込まれるとアレなんだけど,データに対してこのフィッティングで話を進めていいの?という感じ。もう図2のA,Bを見て気持ちが萎えて,全然読んでないんだけど,とりあえずメモとして。いや,大事な問題なのは認めます。

Korsman, J.C., Schipper, A.M., De Hoop, L., Mialet, B., Maris, T., Tackx, M.L.M. & Hendriks, A.J. (2014) Modeling the Impacts of Multiple Environmental Stress Factors on Estuarine Copepod Populations. Environmental Science & Technology, 48, 5709-5717.