マイクロプラスチック粒子の種の感受性分布
Iwasaki Y, Takeshita KM, Ueda K, Naito W (2026) Bayesian species sensitivity distribution modeling for microplastic particles: Integrating particle characteristics and intraspecies variation. Environ Toxicol Chem:vgag066. doi:10.1093/etojnl/vgag066
https://doi.org/10.1093/etojnl/vgag066
こんな事を言うと怒られそうですが、個人的に、マイクロプラスティックの研究はあまり好きではありません*1。ただ、続けていると、思い入れのある研究もできたりするのが憎いところです。この論文は、個人的に、おそらくこれまで取り組んできたマイクロプラスチックの生態リスク評価研究(といっても、種の感受性分布の推定)の中で、最も「これだ」という成果になったと思います。
やったことはこれまでの研究の延長線上ではあるのですが。。。従来の種の感受性分布(SSD)では、任意の化学物質1種について種ごとの感受性(影響濃度)の違いを扱うのですが、マイクロプラスチック粒子では多様な特性をもっており(ある種の複数の化学物質を扱っているような感じで)、粒径や形状などの粒子特性が毒性に大きく影響する(可能性がある)ため、これまでのSSDの枠組みでは、それを考慮できません。そこで本研究では、
- 粒径などの粒子特性(これは、これまでの我々の既往研究でも考慮していた)
に加えて、
- 同一種内の感受性のばらつき(intraspecies variation)
を扱える、ベイズSSDモデルをToMEx 2.0に搭載された有害性データに基づき構築しました。合わせて、
- HONECという最大濃度区でも影響が得られなかった試験結果をモデルの中で右打ち切りデータとして統計的に考慮
することも行いました。すなわち、このモデリングによって、既存の評価では除外されてきたHONECを推定に用い、種毎の感受性(+種内のばらつき)を考慮しつつ、さらにマイクロプラスチックの多様な特性を考慮できる、種の感受性分布が推定できるようになりました*2。
得られた種の感受性分布*3について、各ユーザーのデータを入力することで、**影響を受ける種の割合(Fraction Affected; FA)**を推定できる、Webアプリも公開しています。
A single-site ecological risk assessment for microplastic particles
是非、ご活用ください!