Yasunori Yamashita, Yuichi Iwasaki, Toshimitsu Matsubara, Kyuma Suzuki, Yuhei Kanzawa, Takehiro Okuda, Kazuya Nishina, Carlos Augusto Strüssmann (2020) Comparison of survival rates between domesticated and semi-native char using Bayesian multi-variate state-space model. Fisheries Research. 221, 105380.
受理は少し前でしたが,ちょっと思い入れがあるので,研究内容ではないところで,メモ&宣伝しておきます。ここから,しばらくフリーで落手可能です。
研究内容が貢献するところってのはちょっと異論があるところかもですが,結果はシンプルでずっと継代で飼育しているイワナよりも,天然魚と継代魚からできた半天然魚の方がフィールドでの(放流区間における)生残率が高かったですよ,という話です。
ボクが東洋大の時に,群馬県の農水関係の試験場の方に統計の話をする機会を頂いて*1,群馬水試の鈴木さんや山下さんと知り合って,統計解析の相談を頂いたという経緯です。
野外での観測結果はとても綺麗で,ただ,繰り返しの観測データ(時系列データ)なので,状態空間モデルですねぇとなって,第一弾モデルのコードをボクが書いて,山下さんに投げたら,見事山下さんが物にしたというすばらしい流れです。東洋大に相談に来られた時点で,この方なら,自分でできそうやなと思ったというのもあるけど,通常業務をしながら,きちんとモデルを自分のものにして,論文化するというのは,改めて刺激を受けます*2。
ボクがベイズの論文を書いたことがないので,仁科さんと奥田さんもさそって一緒に書けたのも個人的に良かったです。奥田さんなんか生態学会でポスターを見てただけだったのですが,水産系だと奥田さんがいいかも!と思い出してメールして*3,勢いで会いに行って,色々相談に乗ってもらって*4,いやぁ改めて生態学会っていいなぁと思ったり。
最後に,ここで使っている状態空間モデルって,非常にシンプルで,でも,これくらいの状態空間モデルでも需要があるところにはあるってのを最近痛感しています。という意味でも,この道を通っていたことで,他に応用できています。
なんか山下さんから受理の連絡がきたときは,ちょっと大分ぐっときたり。実際,後々の貢献度はそんなに大きくないのですが,年なのかなんなのか,妙に嬉しくてちょっと涙が出そうでした。
はい。ということで,やっぱ人対人ですね。