A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

身体と言葉

身体(ことば)と言葉(からだ)?舞台に立つために 山縣太一の「演劇」メソッド

身体(ことば)と言葉(からだ)?舞台に立つために 山縣太一の「演劇」メソッド

往来堂で予約して買った山縣太一さんの本。最後の戯曲*1を除いて読み終わっていたのだけど,今更ながら読了メモ。演劇は特に知識があるわけでもなく,コンテンポラリー?的な訳の分からないのが好きなだけで,別に詳しいこともなんもいえないのですが,

「アドリブ」の演技が入ってくる余地はありません。

とあるように,オフィスマウンテンの演劇とかまさにアドリブって?感じもあるのですが,「相当すごく錬っているんだな」というのが強い印象として残りました*2。自分の文脈に載せるとすると,学会発表とかかなと思うのですが*3,個人的には以下のことばたちが気になりました*4

  • 自分の身体が意識しないまま多くの情報を発信していること
  • 厳密にコントロールすることは不可能な,不安定な,不安なものです。しかし,そうした不安定さにこそ固有性は宿ります。
  • 「異常事態」を「そうではない」ものとして作業を進めようとすることは,嘘です。
  • 「見られていて緊張していますけど,やります」
  • 生きて死ぬという,一回切りの身体を持っている俳優が,毎回異なった環境において,「同じ作品」を繰り返し立ち上げるというフィクションの方に,「芸術」としての演劇の魅力を感じています。
  • 「反復」という構造はその素材に関する受け取り手の解像度を上げてくれます。

なんというか謙虚ででも筋の通ったかつストレートで熱いメッセージが詰まっています。最後の戯曲も,単に声を出して読んだりすると結構楽しい。ちょっとちょっと手をとめて話を聞いてくれる?

*1:演劇の台本のこと

*2:このあたり自分の想像を超えるのでよく理解できていないというのが正直なところです

*3:ただ,演劇のように複数回は行われないし,練習量もたかが知れていますし,一緒にするなよと言われそうです

*4:他にもあるのですがとりあえず抜粋