身体(ことば)と言葉(からだ)?舞台に立つために 山縣太一の「演劇」メソッド
- 作者: 山縣太一,大谷能生
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 2019/05/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「アドリブ」の演技が入ってくる余地はありません。
とあるように,オフィスマウンテンの演劇とかまさにアドリブって?感じもあるのですが,「相当すごく錬っているんだな」というのが強い印象として残りました*2。自分の文脈に載せるとすると,学会発表とかかなと思うのですが*3,個人的には以下のことばたちが気になりました*4。
- 自分の身体が意識しないまま多くの情報を発信していること
- 厳密にコントロールすることは不可能な,不安定な,不安なものです。しかし,そうした不安定さにこそ固有性は宿ります。
- 「異常事態」を「そうではない」ものとして作業を進めようとすることは,嘘です。
- 「見られていて緊張していますけど,やります」
- 生きて死ぬという,一回切りの身体を持っている俳優が,毎回異なった環境において,「同じ作品」を繰り返し立ち上げるというフィクションの方に,「芸術」としての演劇の魅力を感じています。
- 「反復」という構造はその素材に関する受け取り手の解像度を上げてくれます。
なんというか謙虚ででも筋の通ったかつストレートで熱いメッセージが詰まっています。最後の戯曲も,単に声を出して読んだりすると結構楽しい。ちょっとちょっと手をとめて話を聞いてくれる?