- 作者: 平田オリザ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/10/20
- メディア: 新書
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- 現代演劇のいちばんの特徴は,この「伝えたいこと」=テーマがなくなってしまった点だと私は考えている。
- 「伝えたいことなど何もない。でも表現したいことは山ほどあるのだ。」
- 歳をとればとるほど,経験から学び取った常識以上のことを受け入れる余地は少なくなり,人生を穏便にすませようとする制御の意志が強くなる*2。
- 戯曲は観客の想像力を信頼する。いい戯曲の書き方は教えられないかもしれないが,悪い戯曲を書かない方法は教えられるはずだ。
- 情報量に差がなければ,情報の交換は行われない*3。
- 人間の会話は本当に散漫でバラバラで,とりとめがない*4。これをそのままカセットテープに録音して再生しても,面白いものが出来る可能性は低いだろう。
- 「ここまで設定を考えてきて,私はいったい何について書こうとしているのだろうか」
- 私たちはテーマがあって(戯曲を)書き始めるわけではない。むしろ,テーマを見つけるために書き始めるのだ*5。
- 演劇はしょせん約束ごとの世界であるから,そのジャンルごとに「うまい/へた」が存在する*6。
- 大事なことは,「コンテクストのずれ」をまず認めて,そこから劇作家と俳優のコンテクストの擦り合わせを行うことだ。
- いかなる集団も権力構造を内包し,その権力構造が腐敗を生むのだとすれば,その腐敗をできる限りくい止め,俳優と私が一対一で向かい合える方法を探すこと。それが,私が演出を始めるときに考えた集団論の第一歩だった*7。
- コンテクストの共有,新しいコンテクストの生成が起こるはずなのだ。
あと,表象の一致性(自分の概念と当の事物が一致していること),間主観性の一致(自分の言葉と相手の概念が一致している)を前提として他者とのコミュニケーションをとっている(ジョン・ロックの考え)というの,これそうですよねぇ。と思った。