A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

Tonyの論文がアクセプトされていたようです(査読期間が短くてうらやましい)。ボクが見たversionより,大分修正が加わっている模様。このモデルがどう評価されるか,今後気になるところ。なぜか謝辞に2度も名前が出てきています。ボクも頑張らねば。

Stockdale A., Tipping E., Lofts S., Ormerod, S.J., Clements, W.H. Blust, R. (in press) Toxicity of proton-metal mixtures in the field: linking stream macroinvertebrate diversity to chemical speciation and bioavailability. Aquatic Toxicology

# 追記100829
いくつか重要な問題は残っているが,個人的にはすごくおざっぱにいってそんなに悪くないかも,という印象になった気がする。
大分理解は進んだような気がするけど,まだどうやってbound metal concentration(BMC)を計算しているかなど,詳細は理解できていないところが多い。なので,以下は,とりあえずのメモ(個人用)。

おそらくミソは,上記濃度を生息を決定する指標としてよいかという問題(仮定が置かれている)。

  • 1つに水中の濃度だけで,体内濃度とよくうまく相関がとれているなぁという印象。DBさんの論文では,(もちろん種に寄るけど)餌経由の濃度も重要というところに言及がある*1
  • 重金属の”何(例えば溶存態とか)”が生息に影響しているかが不明。体内濃度とのよい相関があるので,bound concentrationは曝露の指標だと考えてよいんではないか,みたいなことをエドは言っていたのは,附に落ちる。ただ,体内濃度と毒性に関係がないという話もある。ここを明確にすることがたぶん,一番大きな問題であり,めちゃくちゃ難しいところ。
  • CdやPbがモデルに入ってこないのも気になる。これは単に統計学的に棄却しているからなのか?あるいは,多重共線性的な話なのか。はたまた影響がないのか。なんとなく,ないってのはないと思うので,前の2つな気がする。

やること:Appendixもちゃんとみる。
宣伝:同じデータを使って別解析で,9/2.3に環境毒性学会でポスター発表します。

*1:普通に考えても,まぁ無視できなそうな感じがする。特に藻類を食べているカゲロウとか