A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

Morrissey, C.A., Pollet, I.L., Ormerod, S.J., Elliott, J.E., 2012. American dippers indicate contaminant biotransport by pacific salmon. Environmental Science & Technology 46, 1153-1162.

STさん得意のサブシディ(subsidy)の話と,汚染物質の抱き合わせ版。をクリスティが書いておりました*1。海から遡上してきたサケは海由来の栄養塩を河川生態系に持ってくるわけですが(海−川−山繋がり!),同時に汚染物質(水銀とかPCBとかDDTとか)も保持しているので,トレードオフがあるのでは?という問題提起もイントロにあったりします。そこで,American dipperの卵中の汚染物質の濃度等を調べて,結果的には,物質依存で,クロルデンやDDTs,PBDEsでは卵中の濃度に重要なソースにはなっているようだけど,PCBsや水銀ではサケがいる川といない川では大きな違いは見られなかったというお話。生存や繁殖,あるいは個体群まで考えるとどうなるかということについて,障り的な話はDiscussionで少しふれています。ボク的に論調をまとめると,このレベルだと問題なさそうだけど,注意はしておこうよ,という印象*2

*1:Cristyはいつも良いところに出しますねぇ。結果的にはそんなに綺麗ではないので,書き方と対象物質のおかげかもしれません。いやでも話題的にはおもしろいところか。

*2:まちがった解釈してたらごめん。クリスティ。