A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

Burton GA, De Zwart D, Diamond J, Dyer S, Kapo KE, Liess M, Posthuma L (2012) Making ecosystem reality checks the status quo. Environmental Toxicology and Chemistry, 31, 459-468.

著名人が名を重ねたFocus論文。Ecosystem Reality Checkという(概念的*1)方法論の紹介。中間部分にある例を読み飛ばしましたが,要は化学物質の影響のみを考える規制や管理から,抜け出しましょうというメッセージ。例えば,多くの場合で,化学物質の単一(または複合)影響が生態系への劣化*2の原因ではない。なんてことも書いています*3

*1:といって良いはず

*2:impairments

*3:もちろん,一般的な文脈なので別に普通なのですが,こういうことを言うこと自体,この学会としては結構チャレンジングなのかもしれないなぁと思いました。環境毒性化学会なので,化学物質以外の他の要因となるとそんなに強くないと思われますし生態学的なところも同様。なので,生態系保全という観点で,こういう統合アプローチみたいなことを主張すると,単一種の毒性試験をしてきた人たちは,保全生態学や応用生態学な文脈の人たちには,なんとなくですが先導を譲ってしまうことになる気もするので。。まぁ生態系保全が目的なので,そういう流れで悪くないとは思いますが。