忘れないうちにとりあえず,記録として書いておこうと思います(後で,こっそり更新・修正するかもしれません)。いつも通り,個人的メモです。
大学の講義に対するボクの経験(とそこからのなんとなくの感覚)
- 良いか悪いかは別として,おもしろいと思う講義は少ない。
- おそらく,半期で数講義くらいおもしろいのがあれば良いほうだった感じがします。この感覚は,残念ながら,周りの人に聞いても同じです。
- シラバスを読んで夢を持っていくのですが,「ああああ」となった講義が多かった。シラバス詐欺と途中から呼ぶようになりました。
- 以上はボク側にも問題があったと思っています。高校までは,大学受験といった当面の目標があり,座ってきちんと聞いていれば,とりあえず理解できたし,なんとなく勉強することに意味があるみたいな認識だったのですが,大学だと,そうはいかないというか。うまく説明できないのですが,とにかく今までとは異なる学ぶ姿勢が必要だったんだろうなぁと感じています。それがうまく意識できていなかった。
- おもしろい講義もあった。
- たいていは記憶の彼方。
- はい。申し訳ないです。
- 忘れるもので,この問題をどうしたらよいかはとりあえず保留ということで。
講義が始まる前の動きと思考
- とにかく履修登録者が多かった。
- せいぜい50名もとってくれればよいだろうと思っていたのですが,蓋を開けてみると,130名超え。びびりました。
- なお,実際の参加者はだいたい60〜70名でした。ということで,ちょっと心配しすぎでした。
- 人数が多いので,どうしようかなと思った
- 比較的少人数で,和気藹々とした感じでやれればなぁと思ってたので,どうしようかなと折をみて考えたりしていました。
- 地元の友達に相談したり。その1人が「学生全員を味方にするのは無理だよ」に言われたのは,あー確かになぁと思って気が楽になった気がしました。あとは,先生を目指している弟に相談したり。
- 辿り付いた結論は,単純。自分がやりたいように(後悔がないように)やろうと。
講義の方針
- やりたいようにやる。
- 無責任に感じるかも知れません。でも,とりあえず,初めてなわけですし,右も左もわかりません。そういうことを最初の講義でちゃんと言えばいいやと思って実際に伝えたと思います。
- なので,学生側から要望はどんどん出して欲しいと*2。まぁ,結局講義の内容については出ませんでしたが。
- 実際に大まかな講義の流れは決めていましたが,次の週に何をやるかは前の週の講義後に決めていました。思いつきで決めたことも多かったように思います。
- ボクも人,あなたも人。
- 先生と学生という関係になると,なんとなくこの感覚がなくなってしまう気がするのですが,これは大事だなぁとレポートを受け付けたりしているときにも思いました。
- 周辺の生態学な方の間では結構普通ですが,「先生」じゃなくて,「さん」でお願いしますとか。
- 外部の人を呼ぶ
- 学生に発表してもらう
- これも最初から決めていたことで,人数多くても関係ない,通してしまおうと思った次第です。
- 理由は,発表する学生にとっても勉強になるだろうし,学生が学生に説明するという作業は,ボクが説明するとは違った感じになるんじゃないかなという意図です。
- 事実,学生の発表は参加学生にとても評判が良かったです。
- これまたネガティブな理由としては,ボクの作業量が減るというのもあります。
- 休憩をとる
- 小ネタ的ですが,90分フルはボクも聞いている側も辛いと思うので,途中で小休憩をとるようにしました。
- これまた,及川さんに教えてもらった知恵をパクリました。こちらも評判良かったです。
講義の目的とその周辺
- リスク評価のイントロとして
- これは意図的なのか結果的なのか,どっちなのか?と言われたら,分かりませんが,実例も踏まえて,リスク評価ってこうやってやるんだよ(あるいは,やっているんだよ)。ハザードだけでは駄目なんですよとか,欠点も含めて,そういうのが伝わればいいなぁと思ってやりました。
- 専門の講義としては,ちょっと物足りなかったかもしれません。
- 実際に,ちょっと物足りない感を最後の感想に書いてきた人は数人居たように思います。でも,"みんなを味方にはできない"ということで,勘弁してもらいたいところです。
- これも参加者のモチベーションやレベル次第で変えた方がいいんでしょうね。。
講義から感じたこと(反省点なども含む)
- 基本,単位をとりにきている。
- これはボクもそうだったと思いますし,ほとんど誰しもそうだと思うのですが,ボクが意識してなかったです。
- 「あ,やっぱそうだよね」というのが,最初に「なぜこの講義を履修するか」を聞いた時に感じました。雰囲気的に真面目なことが言いづらかったのもあるかもしれませんが,「時間がちょうどよかった」という理由が一番多かったように思います。
- 若い人は少ないみたい
- 前で講義の準備していたら,先生の代わりに準備しにきた学生とか,山登り帰りの人と思った,感想に書かれていました。ある学生は,この人で大丈夫か?と思ったそうです*6。
- いつも通り,ラフな格好で行っていたのでそれが一因だと思われます。
- 数学が苦手
- これは学部にも依存すると思いますが,あーそんなに駄目ですかという印象を受けました。
- ただ,簡単な計算なので,実はやってみるとそんなに苦ではなかった人も居た印象を受けました。
- 当初思っていた以上に,上辺をなぞる形の講義になってしまったかも。
- 上のせいもあって,できるだけ,分かりやすくやろうとを心がけました。
- でもたまに,準備不足とかで分かりにくい展開になった気がします。でも逆に,あまり相手にあわせすぎてもよくないから,たまにはこういうのもいいかなと後で思ったりもしました。
- "間違わない"ようにできる範囲の努力はしました
- 科学的知見は変わっていくので,将来にわたって間違わないことは無理なのですが,現状の知見で,できるだけ間違いは言わないでおこうと思いました。リスク評価特有かもしれませんが,結構これが大変だった印象です。
- 歯切れの悪いのはいつもなのですが,余計歯切れが悪くなったり,大事なところを説明できてない気もします。
- 講義で感想を書いてもらって,それを読むのは楽しみだった。
- 最初は人数が多いからやだなぁと思っていたのですが,〜〜した方がよいとかっていうコメントがあって個人的にはタメになったり,分からなかったところが書いてあったり,書いてもらって良かったと思います。
- ボクからのレスは大体次の週に紙で配り,大事なところは説明していました。
- 書けばいいということで,手を挙げていわなくなるという欠点はあります。
- 学生で意見が分かれる
- 上でも書いたように,学生によって意見が分かれます。スライドの配付資料は当日配れとか。もうこれは,自分の好きなようにやるしかない気がしました。
- 書いてもらった感想から,そもそも学生の意見を取り入れようとする人は少ないので新鮮といったコメントもありました。
- 後半駆け込み型の学生の対応
- これは,結構甘かったかもしれません。反省点です。
- でも,後半駆け込み型の学生でも発表してくれた人も居て,みんながみんなというわけでもないです。
全体的な感想
- とにかくやって良かったです。
- 大学事務の人,参加してくれた学生の皆さま,アドバイスしてくださった皆さま,大変ありがとうございました。
おまけ
講義1回分の支払意志額を聞いてみました。講義全体ではなくて,1回の講義に対して平均いくら払えるか?という質問です。以下が頻度分布で,算術平均は1300円くらいです。皆さん,ボクからすると異常に高い金額を書いているので,質問が悪かったのかも知れません*7。ただ,「1回の講義ですよ」「正直に答えてください」というのは念を押したので,可能性としては塾の月収とかをイメージしているのかもしれません。それでも適当に高く書いている人はいるでしょうが。
ランダムにとった出席の回数と比較してみましたが,特に明瞭な関係は見えませんでした(テストの点数でも同様)。
*1:IIZKさんが先頭を切って,企画してくれて,ボクらはそれに乗っかった記憶があります
*2:なんか上から目線になりましたが,そういうつもりはないです
*3:といっても,ボクの同期のドクターの人
*4:これもでも,後で考えてみると,あまり気にするところではなかったなぁと思いました
*5:念のため名前は伏せておきますが,手弁当で来てもらいました。さすが!というプレゼンでボク自身も大変参考になりました。ありがとうございます
*6:真に受ければの話ですが,講義最後の感想で,心配する必要はなかったと言われて嬉しかったです
*7:これからこの講義半期一コマで支払われる金額をシンプルに計算すると,一年ほそぼそ暮らせる金額になります