A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

岩崎雄一. 2011. 化学物質のリスク評価と意思決定のギャップを埋める:亜鉛の生態リスク管理に関する意思決定. 日本リスク研究学会誌 21:7–13.

総説が出ました。日本リスク研究学会の支援による–若手による公開ワークショップ–『化学物質のリスク評価と意思決定のギャップを埋める』の特集論文として(当初は*1)投稿した論文です。ちょうど英国に滞在することになってしまい,このワークショップ自体には参加できていないのですが,叩き台となる勉強会には参加させてもらっていたので,今回一緒に論文を投稿することになりました。ちょっとネガティブな言い方をすれば,岩崎・及川(2009)の焼き直しではありますが,亜鉛の排水基準のあり方について,自分なりの提案を書いていたりしますし*2,以前に比べ大分自分の頭も整理されたように思います。その排水基準のあり方が結構個人的には魂を込めた部分で,要は,「一律排水基準の強化ではなくて,事業者が自ら調査等をすることによって,もっと個別の河川ごとに効果的な管理ができないか」というものです。「んなもん,机上の空論だろ」とか「そんなん誰でも考えつくわ」とか,ご批判は甘んじて受けます。でも,こういう提案自体,文章として見たことはないですし,そういう議論の叩き台としてもあってもいいんじゃないかなと思っています。

*1:色々行き違いがあったようで,最終的には個別の総説論文として査読されること,及び特集号のような形にはしないこととなってしまいましたが

*2:査読でダメと言われたら,削ろうと思っていました