A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

面識はないのですが,「期待値を指標にしてリスクの大きさを比較することにわれわれは慣れていない」とこういう方がおっしゃっているのは興味深い。他方,化学物質の生態リスクの分野では,遠慮なく期待値でリスクが比較されている。念頭に置かれているのが,おそらくヒト健康とかの問題と思うのですが,原発問題が起こった現状ではさらに期待値で比較するのは難しくなりそうな予感。

しかし,期待値を指標にしてリスクの大きさを比較することにわれわれは慣れていない。現状では,発生確率が同程度のリスクは悪影響の大きさを指標にして,また悪影響が同程度のリスクは発生確率を指標にして比較することが多い。


森澤眞輔 (2011)【書評】確率的リスク解析の数理と方法,日本リスク研究学会誌21:47-48