A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

Struijs et al.(2011). Field sensitivity distribution of macroinvertebrates for phosphorus in inland waters. Integrated Environmental Assessment and Management, 7(2), 280-286.

野外データを用いて,種の感受性分布(SSD)を描いた*1論文。データへのフィッティングは綺麗。室内実験で得られるSSDの結果と比べるという点では,便利だし,おもしろそう。まぁ,回帰分析で〜%減少とかって話でも比較は可能なのですが。個人的に,いくつか気になったところは以下。

  • 大量のデータがある場合に適用可能
    • quantile regressionに似たコンセプトを用いている。ある濃度幅に出現した底生動物から重複なし属数を(地点,時期等は無視。とにかく,その濃度範囲にあるデータの属をピックアップして重複なしの属数)を用いている。
  • (という理由で)同じ地点の複数のサンプリング結果とかの扱いがないがしろになっている。
    • コンセプト的にはありだと思うのですが,疑似反復の問題が少し気になる。
  • 種レベルではなくて,属レベルの底生動物の種数を使っている
    • データ精度的にも属くらいで良さそうですが,種だと多分もっと綺麗じゃないデータになりそうな予感。
  • いずれにしろ,こんなに綺麗な結果になっているという点で,おもしろい。
  • 著者は,LCAへの利用まで言及している。

*1:f-SSDと呼んでいる