Sonderegger et al. 2009. Using SiZer to detect thresholds in ecological data. Front Ecol Environ 7:190-195.
重金属と河川底生動物で有名な?Clementsさんも著者に入ったデータ解析方法に関する論文。SiZer(significant zero crossings)という方法を使って,モニタリングデータからカゲロウ類の個体数の応答を調べるというもので,閾値を推定するという話。以下箇条書き的に。
- 閾値を想定するということは,inherent arbitrarinessがあるという記述が少しだけですが,ある。
- SiZerを走らせることのできるRのパッケージが出ている。ただし,少しいじってみた感触では,使ったデータはこのように解析できますよということを追えるくらいで,あまり応用性はなさそうな感じ。
- bandwidthをどうするかは,問題。色々試せば,「データの傾向が分かるよ」的な記述があるように思いますが,それってほとんどデータを見れば分かりますよね?という感じ。例えば,2003年くらいに減少しているように見えるので,ここにも分岐点があるのでは?という話がある。
- 統計的な話に大分ついていけませんが,ボク個人的には以下の図の解析で十分じゃないかと現時点では思います(Rのsegmented利用)。AICは若干,青の方が小さい(右側の傾き0:この傾きをどうするかのような議論は,論文中にはなし)。
- 横軸をYearにしているのが,少し気になる。重金属濃度にすると,ややこしいことが起こるのかも?