A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

風間健太郎, 伊藤元裕, 新妻靖章, 桜井泰憲, 高田秀重, Sydeman, W.J., Croxall, J.P. & 綿貫豊 (2010) 海洋環境モニタリングにおける海鳥の役割とその保全. 日本鳥学会誌 = Japanese journal of ornithology, 59, 38-54.

生態学会のシンポ関連で見つけて,眺めてみた総説*1。汚染物質モチベで読んだのですが,タイトルからも分かるようにもっと一般的な内容を扱っていて,個人的には混獲でそんなにとられているんですか?ってくらい意外でした(尋常ではないです。万単位とか)。ちょっと英語の和訳感が残っている気がしましたが,とても勉強になりました。混獲のインパクトが強すぎたというのもありますが,汚染物質の話のところで思ったのは,海鳥を使って何の指標としているかというところで,油汚染とかで「人が起こす意図的な(でも隠れた)悪さ,あるいは突発的な事故の影響が間接的に分かる」という役割があるというのは分かったけど,知りたいことがほんとに指標で分かるのか,そもそもその知りたいこととはなんなのか?,その指標はなんのために何を示すために使っているのか,あたりがすっきりしない印象はあります*2。既往の知見を考えると,汚染が広がっていることはもうすでにある意味自明だとも個人的には思うのです。

*1:第一著者の風間さんは同世代のようです

*2:汚染がどれくらい海鳥に影響しているかが議論されていないのもその要因の1つかとは思います