A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

TITAN

King, R.S. & Baker, M.E. (2010) Considerations for analyzing ecological community thresholds in response to anthropogenic environmental gradients. Journal of the North American Benthological Society, 29, 998-1008.

底生動物群集のデータを扱う際に,〜の種数といった群集レベルの指標が使われることが多いと思う。著者らは,そういう指標はinsensitiveなことが多いし,各種(分類群)の個体数データを使って解析をすること(とその手法)を提案している。手法の論文は,別の論文で,この論文は宣伝的ではあるが,実際に綺麗な事例を提示している*1。自分のデータでも使ってみたい。個人的に気になる点は,野外のデータを使う事になるので,

  • 一つの要因だけが影響していることはないと思われるので*2,そういう場合にうまく機能するのか?
  • 上の問題は,データの数が多ければ解決可能なのか?*3
  • 「群集レベルの指標と既往の閾値解析を使って,閾値応答が見いだせなかった場合に,それを閾値はないことのevidenceとするのは危険である。」という記述は興味深いけど,結局閾値をどう定義するか?に関係してくる気がするので,依然難しい問題だと思う。

*1:著者に論文下さいとメールしたら送ってくれました。感謝。

*2:著者らはランドカバーを説明変数としている

*3:実際,例で解析しているデータの数は多い