A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

おそらく一通り読んだ記憶があるのですが,中央環境審議会水環境部会水生生物保全小委員会の議事録を再読。以下は個人的にきになったところを抜粋(強調や()は引用者)。
http://www.env.go.jp/council/09water/yoshi09-06.html
第1回

  • 資料3でございますか、これは水生生物の保全に係る水質環境基準の設定についての答申でございます。その中に本小委員会の設置・審議について記述されております。環境基準の運用環境管理等水生生物の保全に係る施策の重要事項について審議することとされております。
  • 水質2法は、いわゆる後追い行政であったということ、これを反省いたしまして、水質汚濁防止法では全公共用水域において、国が定めた一律の排水基準を適用するということにしたわけでございます。
  • 従来、確かに類型指定とか排水基準というものは設定してきましたけれども、今回、水生生物の保全という新たな政策目標がありますので、それを必ずやるということではなくて、それに代わるような何らかの制度があれば、提案していただくような制度があれば、それについてもここで十分議論したいというふうに考えております。
  • 排水規制に関しましては、類型を指定して何かをやるという形ではなくて、国としては一律の排水規制ということで、類型の有無に関わらず最低限の基準を国として基準を決めまして、工場・事業所に対して排水の規制をやっているということです。適用の関係は環境基準と排水規制の関係というような異なった状況になっております。
  • 今、生物がいないところにその基準をかけるというのは、やはり不適切で、自然が、要するに実態が改善されてきた上で亜鉛というのはその時にかける方がいいのかなとは思っております。
  • もしフィールドサーベイができないと、政策効果の判断もできないということになりますから、これは自己矛盾に陥るのではないかと思います。
  • 生物が住んでいないところまで決めるのかという議論は大変難しい問題だと思いますが、私はもしそういうことであれば、むしろ環境基準の方でDとかEのところについては環境基準の値を下げるとか緩和するとかいう方法の方が、従来の仕組みとの関係ではむしろ良かったと思っています
  • そのデータから見れば、じゃあ、30µg/lで妥当だ、50µg/lでも大丈夫だったというデータがあれば、50µg/lに変えればいいわけですよ。ですから、そのための努力を誰がするか。それは環境省がするのか、国がするのか、あるいは僕は産業界がされても結構だと思います。


第2回:アメリカやイギリスは,環境基準の類型指定と排水基準の策定が一定の関係を持っているよう。

  • (イギリスの状況)すべての工場が対象ということで、その排出基準値の決め方につきましては、排出する水域に適用される環境基準値をもとに算出した排出基準値。それからもう一つが、現状の排出濃度より悪化させないといった方針に基づいた濃度。それらを比較しまして、厳しい値を採用するというレベルということになっております
  • アメリカの排水規制)まず大きく環境基準が設定されている水域かどうかということで、分類がなされております。
  • それにBATでどういうパラメーターを考えて、BATだと称して、決めているのか。
  • BATの基準自体は別に固定しているものではなくて、 技術が改善されるにつれて、より厳しくなっていくというものでございます。その数値とか、その算定法式については、亜鉛についてはどうかというのは私もよく知りませんが、すごく大部の文書ができていて、それも毎年のように変わっていくという性質のものでございます。
  • 排水規制に対しましては、大塚委員からも前回もお話しいただいておりますけれども、全国一律に最低の基準を水質汚濁防止法で定める。ですから類型当てはめ云々にかかわらず、最低限の排水規制を行った上で、あとは環境基準の達成状況を見ながら、都道府県の上乗せ規制で、今度は各水域、またそこにあります排出状況を踏まえて、場合によっては厳しい規制を決めるような環境基準の達成を目指すというような基本的な構造になっています。それが現行の環境基準、また環境基準が設定されて、類型当てはめがされた場合、それと水質汚濁防止法の排水規制の関係ということになります。
  • 環境基準の方で類型指定をしておいた方がよかったという考え方も恐らくあるのかもしれないんですが、水生生物の問題の場合だけ、排水基準について類型を決めていくということが、 今までの通常の健康とか生活環境の基準との関係で、もしやるとするとどういうふうに整理されるのかという問題が、多分出てくると思うんですけれども、この辺については例えばの話ですけれども、どう考えていったらよいとお考えでしょうか。私自身は定排水基準の方が座りがいいと思ってはいるんですけれども(大塚委員)。


第3回
一番最初の意見はどういう流れで出てきたんだろう。読んでた限り,尊重すべきなんて見当たらなかったような。

  • それから我が国でこれまで採用されてきた水質汚濁防止法に基づく一律排水基準を尊重すべきであり、その際適宜、暫定排水基準を検討すべきという御意見
  • 将来いろんな環境基準項目を決めるときに、亜鉛と同じようにビーカーテストだけで基準値を決めていくのだということであると、これは科学技術の進歩ということからいっても発展性がない話になりますので、やはりその実験データと同時にフィールドの実態を勘案して基準値を決めていくというのが基本であり、そうあるべきであるという認識を我々、ぜひ持ちたいと思うわけです。
  • 私は排水基準にいろんな意味でランクを入れるというようなことを、私自身は場所とか何かによって考えていいんじゃないかというのでかねがね思うのですが、それがなかなか一方で一律排水基準といいますか、
  • 何か特定の流域に係わる排出基準というか、そのようなものができないのかなというのを私は思うんですが
  • その使用実態とか排出の実態を踏まえて、技術的に可能なところを排出基準として考えるというのが、一つのラインではないかというふうに私自身は思っていますけれども。