A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

効果的な査読と効果的な査読コメントへの対応

Scrimgeour, G.J., Pruss, S.D., 2016. Writing highly effective reviews of a scientific manuscript. Freshwater Science 35, 1076-1081.
Taylor, B.W., 2016. Writing an effective response to a manuscript review. Freshwater Science 35, 1082-1087.

Freshwater Scienceに査読の仕方と査読コメントへの対応の仕方というEditorialがオープンアクセスで出ているのに気づいたので,一応メモとしておいておきます。ざっと読み通しただけですが,概ねこう考えで査読&査読対応できているんじゃないかなと思いましたが,さてどうでしょう。査読対応は,師匠のMさんに色々テクニックを教わったのが大きい気がします。査読は,自分の原稿にもらった査読コメントの経験から,「抽象的な査読コメントはできるだけしない」「できるだけ対応方法の具体案も提示する」という風にしていて,そういう内容もEditorialに含まれていました*1。結構細かいTipsも載っているのでおもしろいのですが,以下気になった点をメモとして*2

  • 良い査読者は,youを査読コメントに使わない。なぜなら,それを書くと個人への攻撃だと誤解されてしまうから。
  • Tone matters
  • 査読者は1語だけの曖昧なコメントは避けるべきだけど,insightfulとかgreatとか1語の前向きなコメントは含めるのはお勧め。
  • ひとまず,a modest adjustmentを一部にするという戦略
  • 査読者が引っかかった点は,他の読者もひっかかる可能性が高くなるので,「読み違えている」と反論せずに真摯に対応を考える*3

他にも,結構ためになる点はあると思いますので,是非一読をお勧めします。繰り返しますが,オープンアクセスです。

*1:読み違えてなければ

*2:これ全文日本語化されてもいいくらいに良いEditorialだと思うのですが

*3:これはなんとなく自分が対応する時も意識している