A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

追記 2014/8/8
KMさんに頂いた,Kortenkampさんらの報告書とFaust et al. 2001(Aquatic toxicology)を読み,彼らの主張が正しいとすると*1,n個の物質について与えられた濃度で予測されるmixture影響は(平行性を仮定しなくても)CAを仮定して,以下の式で予測できる。ただし,toxic unitとかダイオキシンで有名なToxic equivalence factorを使って濃度反応的に解析する場合は平行性が必要のよう。大分込み入ってますね。。

ちなみに,この過程でBackhausさんのYoutube動画を見つけました。
https://www.youtube.com/watch?v=DjxvCdyL97o
-----追記 2014/8/8 ここまで-----



Concentration additionあるいは,similar joint actionとかと呼ばれる複合影響の予測?モデルについて,少し勉強したのでメモとして。おそらく間違ってないと思いますが,特にHewlettさんの仕事はあまり理解できていません。

Loewe, S.; Muischnek, H. Über Kombinationswirkungen. 1. Mitteilung: Hilfsmittel der Fragestellung.Naunyn-Schmiedebergs Arch. Exp. Pathol. Pharmakol.1926, 114, 313−326.
あるいは,Finney(1971)の本

上記の濃度相加モデルはLoewe (1926)によってもたらされたようですが,細かくは書きませんが,化学物質の濃度を特定の影響濃度(EC50とか)で割って複合影響を評価する方法です。で,その仮定として,ここの化学物質で書いた濃度反応関係が平行であることが仮定されています。


それに対して,その仮定がきつすぎねん!*2として,上記モデルを拡張したのがHewlettさんたちです*3

Hewlett, P.S. & Plackett, R.L. (1957) Quantal responses to mixtures of drugs. Nature, 180, 712-713.
Hewlett, P.S. & Plackett, R.L. (1959) A unified theory for quantal responses to mixtures of drugs: Non-interactive action. Biometrics, 15, 591-610.

後者の論文が詳細ですが,前者はなんとその前段階の紹介みたいな感じになっていて,Natureです。すごい。しかもちょー短い。それはさておき,HewlettさんとPlackettの意図としては,「明らかに毒性作用機構が同じ物質なのに,濃度反応関係が平行にならん!」これは,すなわち,濃度相加(similar action)だとしても,平行と仮定するのがいけないだ,よし,拡張しよう!というのがボクの理解した流れです。


すなわち,ここがややこしいのですが,CA(あるいは同じような毒性作用機構)だとしても濃度反応関係が必ずしも平行である必要はないが,よく使われている定番のCAアプローチ(ここ説明でいう前述の方法)では,濃度反応関係が平行なこと仮定している。ということです。これで大分頭が整理されてきたように思う。しかし,後者の方法が使われていない?のは,多分分かりにくいからじゃないかなぁと邪推してしまいます。KMさんからの入れ知恵だと,そもそも厳密にCAかどうかがわからないので,平行にならない場合はちょっと違う機構が働いているんじゃないかということでした*4

*1:多分そうなんだろうけど,結局Hewlett & Plackettが理解できないので確信を持てないのが痛いけど,まぁこの人らが言うならまぁ間違ってないとは思いますが…

*2:筆者,意訳

*3:どう拡張したのかはいまいちよくわかっていません

*4:論文を書いておられるのでそのうち出てくるかと